読んだ本

もうニュースを見る度に、色々と滅茶苦茶で辛い。暑くて、仕事と食料の買い物以外はほぼ引きこもっていた。外は危険だから、夏は仕事は無くして冷房を入れた家の中で冬眠みたいに寝て過ごせないかしら。

  • 『ゴルフコースの人魚たち』Mermaids on the Golf Course(パトリシア・ハイスミス Patricia Highsmith 森田義信・訳 扶桑社ミステリー)
    短編集。精神がじわじわと不健康になっていくのに、麻薬のようにやめられない。怖い。彼女の本を何冊かまとめて入手したけれど、続けて読まずに少し間をあけたい。
  • 『わたしの外国語学習法』(ロンブ・カトー 米原万里・訳 ちくま学芸文庫
    少し前に『外国語上達法』を読んでいたからか、もらったので。「こういう本を読む時間に、単語をいくつか覚えた方が良くない?」などと言いつつ読み始めたけれど、面白かった。すぐだらけてしまう人には、やらなきゃっていう気にさせてくれるから良いね。

この「In Search of Richard Yates」という番組をぼんやり聞きながら、そういえばRichard Yatesを読みたかったことを思い出した。わりと読みやすい文章だった気がするし。まずは『Revolutionary Road』か。でも、彼の作品が与える精神的なダメージも大きいから、やはり先に延ばす。

 

ゴルフコースの人魚たち (扶桑社ミステリー)

ゴルフコースの人魚たち (扶桑社ミステリー)

 
わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)

わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)

 

 

野球

チケットをいただいたので、カープ好きと一緒にドームに行ってきた。普段ほとんどスポーツを見ないので、最初に行った時は、打ったらどちらに走るか知っているかと訊かれたけれど、それくらいは知っていたよ。今回は、5点取ったし、ドラゴンズも1点取っていて、点数の入る試合は、見ていたら結構楽しかった。バットも割れるし、球も客席に飛んでくるし。

逃避

パトリシア・ハイスミスを読みつつ、『SHAME』と『マジカル・ガール』を続けて見たら精神面に良くない影響が出てきて、生理も始まって呪いの言葉でも吐きたい気分。もしかして、前半部分はPMSもあったのかもしれない。そんな中、昨日は丸山晴茂のニュースを見て、呆然としていた。彼のドラムが好きだった。当分は曲を聴く気にもなれない。

眠れないし何もしたくないし、逃避していた。

ジョン・ウィック』John Wick(チャド・スタエルスキ Chad Stahelski、デヴィッド・リーチ David Leitch)
Netflixで。2もあるからキアヌは死なないって分かっているし、安心して見ていられる。ウィレム・デフォーが、主人公を助けるだけのキャラクターで、素直に驚いた。キアヌとの対決の見せ場でもあるのかと思うじゃない? アクションがダンスのような楽しさ。これはお約束で外せないのかもしれないけれど、最後の1対1の対決って、いつも、もう飛び道具でさっさと片付けようよ、って思ってしまう。

 

そういえば、ボーデインのニュースを見た日は、これを見ていた。
『キアヌ』Keanu(ピーター・アテンシオ Peter Atencio)
Netflixで。なぜ、ジョージ・マイケル。気のせいかもしれないけれど、猫が場面によって大きくなったり小さくなったりしていなかった? なめ猫みたいな映画カレンダー。

 

以前ここで「You Killed Me on the Moon」について書いたBLOWはアルバムも出たし、Chapter2も発表された。「Green Unicorn


BLOW - Green Unicorn (Official Video)

これは、ちょっとコメントが難しい。Chapter1を待ちたい。

 これが前に書いたもの。

tsubaqui.hatenablog.com

 

 

このBLOWの「Don't Wait For Us」が使われているから知った『The Miseducation of Cameron Post』という映画、女の子がかっこいいし、見たい。これの半ばくらいから流れる。


The Miseducation of Cameron Post - Official U.S. Trailer

 

それと、気になるのが『Pin Cushion』。色の感覚は、ものすごく好み。インテリアもファッションも良さそう。ただ、忘れていた古い傷のかさぶたをゴリゴリえぐられそうな不安を感じる。ちょっと見るのが怖い。


Pin Cushion - Trailer

『ファントム・スレッド』

ファントム・スレッド』Phantom Thread(ポール・トーマス・アンダーソン Paul Thomas Anderson)
ダニエル・デイ=ルイスが、職業を理由に会ったその日に女性の洋服を脱がせてしまうのは、『存在の耐えられない軽さ』を思い出させる。相手に不自由せずに女性と遊んできた男性が、田舎の素朴な女の子にくらっとして真剣になるのも同じか。

登場人物の着ている衣装はとても素敵だった。ダニエル・デイ=ルイスは彼自身の力もあってか、ぞくぞくする着こなし、同じものを他の人が着ても、あのようにはならないだろう、というとても贅沢なものを見られた。靴下の色も。

ただ、主人公のデザインしたドレスが、どれもあまり響いてこなかった。材質の良さは感じられる。ウェディングドレスも、人が着ればまた違ったのかもしれないけれど、全然感動が無かった。映画の中の、「すごい芸術家」の作品があまりすごく感じられない事って、時々あるのだけれど、こちらの感性や知識の問題かもしれないし、表現するのも難しいだろうなあ、とは思う。

ドレスに縫い込まれていたものが、おふだのような役割で、あれが見つかってしまって、主人公とその家の霊的な力が弱まって失われていく。母の霊の庇護も、主人公の才能も。最後に時代の変化も示されていたけれど。あの女の子の方は、あまり霊的なものの影響を受け無さそうな、呪いなどがかからなそうな、そんな強さがあるよね。毒を扱うし魔女のようなイメージを重ねていたりするかしら。

この映画の結末の後、があるとして、あたしには、女の子が主人公にあきてしまう未来しか想像できなくて、ダニエル・デイ=ルイスですら、なんて、ああ年は取りたくないものだな、などと勝手に嘆いていた。普段は、今の自分が外見も中身も一番ましだと思っているし、老いることにも特に何も考えることは無いのに。なのに、ハッピーエンドだよね、と言われると、ぎょっとして、そんなに無邪気で良いのか、と他人事ながら心配になったりするけれど、それよりも、あたしが大丈夫なのか、という気もする。

音楽はちょっと苦手。好きか嫌いかというと、あんまり好きじゃない映画だった。

ヴァンパイアとシンクロナイズドスイミング

タツムリを11匹見かけた翌日に、同じ塀の横を通って数えたら、カタツムリは22匹もいた。その翌日は、その道を通らなかった。

 

ここ何年か、ニュースを見る度にじわじわと首を絞められているような気分だったが、金曜日には限界で吐きそうだった。普段、家ではお酒を買わないし飲まないのだけれど、やっていられないので、もらった桃果汁入りの梅酒を飲んで、下の映画を見て、少し落ち着いた。

『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』A Girl Walks Home Alone at Night(アナ・リリ・アミリプール Ana Lily Amirpour)
Netflixで。楽しい。ボーダーのシャツを着た吸血鬼って! 主演の二人が素敵。猫が良い。顔も目も体型も、ものすごく好みの愛くるしい猫。マカロニ・ウェスタンみたいな曲も、映像もお洒落過ぎる気もするものの、良い。こんな野蛮な世の中なら、あたしにも牙が必要だ。あたしも逃避行したい。

 

中年男性がシンクロナイズドスイミングをする映画が2本もあるのね。ルパート・グレイヴスが男ばかりのシンクロナイズドスイミングの映画に出ているのを知って、以前マチュー・アマルリックもシンクロの映画に出るっていうのを見かけたけれど、英仏合作なの? って思ったら全然違う映画だった。同時期になぜ? 『フル・モンティ』や『Shall we ダンス?』みたいな感じ? 彼らが演じるなら、どちらも見たい。そういえば、『ウォーターボーイズ』って、何年前だったっけ。
ルパート・グレイヴスの出ている『Swimming With Men』


Swimming With Men Official UK Trailer In Cinemas 6 July


マチューやジャン=ユーグ・アングラードの『Le Grand Bain』


LE GRAND BAIN - Teaser - Gilles Lellouche (2018)

クスクスを作った

雨の中を歩いていて、塀にカタツムリがゆるゆる動いているのを見かけると、じっと見入ってしまうのだけれど、1軒の塀に11匹もいるのを見かけたら、さすがに少し怖くなった。ナメクジの『スラッグス』を思い出して。小説は面白かったものの、あれは映画の方はあまり見たくないような気がする。でも、カタツムリなら、グリーナウェイの『ZOO』を久し振りに見たい。

 

シェフが風邪なのか寝込んでいて、自分の食べる分は作ることに。クスクスの箱を買ったまま使っていなかったので、『お鍋でフランス料理』(パトリス・ジュリアン 文化出版局)から。あたししか食べないので、たまにしか作れないし、この本のものが気に入って、もう他のレシピを探す気があまり起こらない。でも、この季節、部屋が暑くなるし、煮込み料理なんてあまりするものではないのかもしれない。シェフは、匂いがきついと言って別の部屋へ逃げてしまった。一度作ると材料を控えめにしても大量にできてしまうけれど、あたし一人なら同じものが続いてもわりと平気で、何回分もの献立を考えなくていいから、仕事のある日は特に、煮込み料理って好き。ル・クルーゼのココットが勝手に美味しくしてくれるしね。この重たい鍋を持ち上げられるくらいの力は維持したい。

 

お鍋でフランス料理―ビストロの味、田舎の味

お鍋でフランス料理―ビストロの味、田舎の味

 

『IT』

『IT』IT(スティーヴン・キング Stephen King 小尾芙佐・訳 文春文庫)
4冊、長い、長かった。昔の映画の方は何かで見て、大きな化け物が出てくるまでは怖かったような記憶がある。本も読んだかもしれないと思っていたけれど、開いてみると読んでいなかったことが分かった。主要の7人分のエピソードと、すぐに死んでしまう人やその家族の事まで詳しく書かれているので、それぞれが結構面白くても、読み進めているうちに、するするとその前に読んだ分の記憶が薄れていく。
最後の方のべヴァリーと他6人の行動については、7人中唯一の女の子の役割がこれなのか? と、酒も飲んでいないのに酔いが醒めた。べヴァリーは性的虐待を受けていたし、特殊な状況下なのでこのような行動をとることもあるかも、と、この作品中におけるこの行為自体はなんとか受け入れられるのだけれど、それまで子供の心理描写も良かったのに、この部分のべヴァリーの描写は中年の男性が書いているのが透けて見えるようで、これまで読んできた分がすべて崩れて消えてしまいそうなくらい、急にささーっと引いてしまった。
戦いの終わった後はわりと好き。
新しい方の映画は、マカヴォイが出るのなら見ようかしら。
『パターソン』で知った、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズが何度か引用されている話をしたら、「あなたは知らないかもしれないけれど、知る人ぞ知る詩人じゃなくて、日本でも翻訳が出ているし、普通に有名な詩人だから」と言われた。う、ごめん。
ピーター・ストラウブの『ゴースト・ストーリー』の方が良いと聞いたので、それも機会があれば読みたい。

IT〈4〉 (文春文庫)

IT〈4〉 (文春文庫)