アステカの夢

母と妹その2、そしてなぜか学生の頃に一緒にパリに行った友達2人と、近郊のどこかへ法事に出掛けた。たぶん他の親族も一緒。カフェで会計を済ませる間、壁に並ぶフライヤーの1つが目にとまった。夜に開催されるライヴのようで、演奏している人たちが何人か見えるのだけれど、それよりもその背景にアステカ文明みたいなモチーフがいくつも彫られた石の巨大な四角い壁のようなものがあって、わさわさと緑に覆われている。マヤ文明っぽいのかもしれない。どこだか知らないけれどすごく気になる。こんなものに一人で参加したら生きて帰れないかもしれないし、手に取ったものを元に戻した。

宿泊施設(ホテルと呼べないような、病院に近いもっと簡素な「施設」といった様子)に戻って、食堂の窓から外を見ると、先程写真で見た巨大な石造りの建造物が目の前に迫っていた。50センチも離れていなくて窓を開けたら手が届きそうなくらい。水の滴る植物に覆われて熱帯のよう。窓から見渡そうとしても、距離が近過ぎて全体像がよく分からない。こんな近くにあったとは。すぐにでも外へ出て見に行ってみたいけれど、一人で行くのは怖いような。そうしているうちに母が来て、もう帰るわよと言われて目が覚めた。

行ったことも無いしよく知らないのに東南アジアの遺跡のような所は時々夢に見る。アステカ文明等の中南米の文明については子どもの頃に好きでよく本を読んだりしていたのに、たぶん夢に見たことが無かったから、なんだか嬉しい。

 

気になる建築と言えば、BB Brunesの「Habibi」で見られる、不思議な建物というより町? 町サイズの一つの芸術作品? 階段の部分だけ見るとなんだかエッシャーの絵のような。どこの何なんだろう。行ってみたい。この曲を聴きながら新しいアルバムを楽しみにしている。


BB Brunes - Habibi (Clip officiel)

生きてます

お元気でしょうか。

5月は絶えず仕事に追われていて、6月に入って少し落ち着いたかと思ったら、ちょっとしたトラブル発生で予定が狂ったり。それにしても、もう6月だなんて。

『イメージの本』『アメリカン・アニマルズ』『コレット』は見た。バリー・コーガンがあまりにかわいくて、今『ダンケルク』も見た。なかなか映画館に行けないけれど、家では配信などで見ているので、今年見た映画をリストくらいはあげておきたい。

連休の後は

6日はチケットをいただいたのでカープ男子と一緒にドームへ行った。野球を普段全く見ないあたしでも興奮するくらい、面白い試合だった。

連休は全然休みだったわけではないのにもかかわらず、それでも普段よりゆったりしていたからか、その後の一週間はぐだぐだだった。9日(木)は夜まで金曜日だと思い込んでいて、一週間が早いなと少し焦っていたし、11日いっぱいで配信終了の『牯嶺街少年殺人事件』を一日勘違いして10日(金)の夜にご飯を食べずに見ていた。4時間!! 昔、録画したものを途中まで見てそれきりで、一昨年だったかリバイバルも行きそびれて、やっと。でも、映画館できちんと見たかった。昨日は袖を通したばかりのシャツに歯磨きをたらして汚すし。

今週は頭をはっきりさせていたい。

『Babylon Berlin』

『Babylon Berlin』

映画じゃなくて、連続ドラマだけれど。

1929年のベルリンが舞台でポリティカルな要素多めの刑事ドラマ、と言えば良いのかしら。登場人物が多くて、それも様々な階層に属していて、ストーリーも色々と盛り込まれているし、ミュージカルに、アクション映画のような場面もあって、夢中でついて行く感じ。衣装やセットも豪華。

以前から気になっていたものの、そのうち日本のNetflixでも見られるだろうと思っていた。でも、エンディングテーマになっている、この「Zu Asche, Zu Staub」という曲を見かけて、あまりのかっこよさに待ちきれなくてDVDを注文した。曲も良いし、色気にあてられて倒れそう。


Severija - Zu Asche, Zu Staub (Psycho Nikoros) – (Official Babylon Berlin O.S.T.)

歌っているSeverija Janusauskaiteは、これ以外にもドラマの中で「暗い日曜日」のロシア語バージョンも歌っている。彼女は、以前教えてもらってすごく気になっている『Dreamfish』という映画にも出ていた人。『Dreamfish』も見たいし、他の作品も見ていきたい。日本語の字幕では『パーフェクト・ワールド 世界の謎を解け』という映画が見られるのか。全然知らなかったけれど、凶悪な顔のマトリョーシカ!!


映画『パーフェクト・ワールド 世界の謎を解け』予告編

 

 

話を『Babylon Berlin』に戻すと、シーズン1、2とあって、それぞれ8エピソードあるものの、16話で一つの作品。シーズン1のエピソード8ではほぼ何も片付かない。

登場人物がそれぞれ良いし、主人公のGereon Rathのキャラクタは面白い。彼の事を好きにはなれない、という人も多そう。

この時代のドイツについての知識が無くて、とりあえず字幕も全部は追えずに見ていたから、よく分からない所も多いので、原作を読んでみるつもり。2回目見るのは、その後か。

当時の様子を再現しつつ、大きなクラゲの泳ぐ水槽に囲まれたタコの料理を出すレストランがあったりする。

上の動画のゴージャスな舞台で、ブライアン・フェリーが歌う回もある。

トム・ティクヴァの名前を見て、『ラン・ローラ・ラン』も『パフューム ある人殺しの物語』もあんまり好きではなかったので少し警戒していたけれど、これは好き。

シーズン3も気になる。でも、まずは早く日本でも見られる日が来て欲しい。

連休?

普段より若干のんびりしているものの、全然お休みではありません。

このところ少し肌寒かったりしたから塊の肉を買って『ニュースタンダードディッシュ』(長尾智子 柴田書店)を出してきてポークビーンズシチュウを作ったけれど、今日は暖かかった。それにしても、もう20年以上前の本なのか。何度も作っている。りんごを省いたけれど、入れた方が美味しい。たまに料理すると楽しいな。もう少し料理していきたい。

 

ドラマ『Babylon Berlin』16話をやっと見終えて、ぐったり。面白かった。色々と難しいので、早く日本語で見られるようになると良いのに。これについては近々少し書きたい。

 

ニュースタンダードディッシュ

ニュースタンダードディッシュ

 

 

『ワシントン・スクエアの謎』

『ワシントン・スクエアの謎』The Washington Square Enigma(ハリー・スティーヴン・キーラー Harry Stephen Keeler 井伊順彦・訳 論創社

すごく読みたかったのに、買ったら安心したのかずっとそのままにしてあった。期待を裏切らなくて、面白かった。小説のアウトサイダー・アートというのか、まともな感覚の職業作家なら書かないだろうなあというような文章。ものすごい偶然の連続。色々と過剰。途中で「登場人物も手がかりも出そろいました。謎を解くことは可能であるはずです。……今ここで答えを出してから、お先へどうぞ。」というページがあって、あたしは犯人とか別に誰でもどうでもいいのでそのまま読み進めたら、余裕で誰も知らされていなかった事や動機が出てくる。満足。人には全然すすめないけれど、楽しいし好き。

ただ、気になったのがP120の12行目、「ハーリングがいきなり言いだした」とあるの、ハーリングじゃなくてヴァンデルヴォールトじゃないの? ハーリングは隠れていて、トルーデルとヴァンデルヴォールトの会話の場面だもの。

キーラーといえば、以前教えてもらって買ったのは『The Green Jade Hand』だったのかな、緑の6本指の手がカバーに描かれていた。こういう変な文章を英語で読む自信がなかったのでずっと読んでいなかったのだけれど、読みたくなってきた。でも、彼の文章って翻訳を読むにも結構パワーを要するのね。体調良くなくて頭痛がするからベッドに転がって読んでいたら、なかなか進まなくて。身体を鍛えるか、英語で読む力を早くもっとつけるかしないといけない。

ワシントン・スクエアの謎 (論創海外ミステリ)

ワシントン・スクエアの謎 (論創海外ミステリ)

 

 

読んだ本

もう、3月! 一年で一番気の重い仕事が片付いて、やりたい事を思う存分楽しみたい晴れやかな気分だったのに、気が緩んだのか風邪をひいて、ぐだぐだだった。今もそんなに良くない。気付くと永遠に終わらない気がしそうなくらいに仕事がたまっている。

 

『悲しみのイレーヌ』Travail soigné(ピエール・ルメートル Pierre Lemaitre 橘明美・訳 文春文庫)

人気があるからそのうち読んでみたかったのを、風邪で頭痛がひどくて転がっている時に。これから読む予定で、色々知りたくない方は以下を読まないで。

 

2001年にブラック・ダリアを模した殺人事件が起こったとして、「ブラック・ダリア」という言葉が1年以上どこからも出てこない世界なんて無いでしょう? だってブラック・ダリアだもの。事件の状況読んだだけで、ブラック・ダリアじゃん、て思ったし、その後の展開にびっくりした。デ・パルマの映画が出来たのがこの小説が発表されたのと同年くらいらしいのだけれど、エルロイの小説は翻訳されていたのだし、あたしはエルロイも読んでいないのに。知っていて当然とは思わないし、知らない人がいるのは全然問題無いけれど、ハリウッド・バビロンとか殺人事件なんて好きな人がいっぱいいるだろうから、そんな事件が起きて誰からも指摘が無いなんて考えられない。「その頃はまだtwitterが無かったからじゃない?」って言われた。今ならその日のうちにネットで世界中から指摘が来て明らかになるはず。でも、当時も掲示板みたいなものならあったのではないの? よく分からない。

アメリカン・サイコ』については、書かれているところまで分からなかった。日本製にこだわっているところが、なんだかもう少し前の年代を表現しているのかな、という違和感はあったのだけれど。『アメリカン・サイコ』は小説も映画もわりと好きだったのに、どんな殺人だったかの記憶が無い。映画は裸でチェーンソーを振り回していなかったっけ?

他の過去の事件に関しては、あたしは全て読んだことのないものだった。けれど、それもミステリって詳しい人が多いのに、それだけ色々と起こってどこからも小説との類似について指摘が無かったなんて思えなくて、なんだかあまりのれなかった。

主人公が身重の妻をいかに愛しているかという描写が多くて、タイトルがタイトルだから、「最後に妻の頭が箱から出てきたらキレるよ」と言いながら読んでいた。そんなに違わないよね。これは翻訳のタイトルがまずいと思う。少しずれるけれど、主人公を苦しめる目的で妻や子どもが殺される話が昔から嫌いで、「本人を殺すよりも、その愛する人を奪う事で余計に苦しめる」ような事を言ったりするものの、単に成人男性よりも力の弱くて反撃の少なそうなのを選んでいるんでしょ、って思ってしまうし、それに続く復讐劇も苦手で、昔はチャールズ・ブロンソンの事を「妻や子どもが殺されるまで働かない、殺される前にどうにかしろ」と言って嫌いだった。『荒野の七人』では良い人だっのに、今思うとすごい雑だ。
風邪なのに眠らずに読み進んでしまうくらい、読ませちゃう本ではある。

 

『無実はさいなむ』Ordeal by Innocence(アガサ・クリスティー Agatha Christie 小笠原豊樹・訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)

ビル・ナイの出演しているドラマが見たくて、見る前に読んだ。ビル・ナイが主演だという情報しか知らずに読み始めて、当然のように最初に登場するアーサー・キャルガリに彼をあてて読んでいるとキャルガリの年齢が出てきて驚いて戸惑っていたら、ドラマを見た家族から、ビル・ナイは殺された人の夫の役だと教えられた。ドラマは録画してもらったはずなのに、まだ見ていない。

 

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

悲しみのイレーヌ (文春文庫 ル 6-3)

 

 

無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

無実はさいなむ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)