見た映画、ポーランドとドイツ

先週だったか、「ネットで話題になっている『シェラ・デ・コブレの幽霊』って何だっけ?」と訊くと、一緒にナイトスクープを見たじゃないかと言われ、ぽかんとしていたのだけれど、ぼんやりとそんなようなことがあったのを思い出した。見たいな。

 

以下、全てNetflixにて。

  • アメリカから来たモーリス』Morris from America(チャド・ハーティガン Chad Hartigan)

Jakub Gierszał(Jakub Gierszal)が大学生でDJ!! そんなに長い出演でもないのに、軽く怪我している。ショーン・ビーンが頻繁に死ぬように、Jakubも無傷ではいられないのか? 彼の美しさは、傷付けてみたいというサディスティックな欲望を制作者に呼び起こすの? 彼が目当てで見たけれど、わりと面白かった。父親と息子の会話が良い。

主人公のモリスは、アメリカからドイツのハイデルベルクに引っ越したら、周りは白人ばかりで、という話で、ドイツについてほとんど知らないから、現代も黒人は少ないのか、ベルリンだとそうでもなかったりするのか、よく分からない。『Sala Samobójców』(Suicide Room)を見た時に、ファッション関係の仕事をしている母親が「東欧向けの広告なのに、彼は黒人でしょ」ってスタッフの選んだモデルの写真にダメ出ししている場面があって(見直してないから、間違っているかも)、ポーランドの映画を何本か見て、歴史ものでなくても白人しか出てこないのが少し気になっていたのだけれど、実際に割合的に黒人の人が少ないのかな、と思ったのを思い出した。

子どもは、自分の子であっても別の人格を持った他人で、その事を尊重しないといけないのだろうな。この親子が新しい土地で楽しく暮らせることを祈りたい。

 

ホットドッグにマヨネーズとは。ポーランドでは、ポピュラーなのかしら。

犬の視点なのか何なのか、ものすごく下からだったり、上からぐるぐるしたり、カメラの動きが、少し気分を悪くさせる。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に行った時に途中で吐きに消えた妹と一緒に見に行っていたら、彼女はまた吐いていたかも。

Mateusz Kościukiewicz(Mateusz Kosciukiewicz)が出演しているから。犬を連れてくる元ボーイフレンドの役。なんと読むのか分からなかった名まえも、マテウシュ・コシチュキェヴィチと表記されているのを知った。Andrzej Chyraは、アンジェイ・ヒラ。

不穏な感じで、ずっとそわそわ落ち着かなくさせて、どーん! なんとなく想像してた。それぞれのキャラクターの話の繋ぎ方に、少しイラっとする。

 

  • ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー』Elles(マウゴシュカ・シュモフスカ、マルゴスカ・ズモウスカ?  Małgorzata Szumowska)

原題がシンプル過ぎて他の作品と被りそうだし、全く異なる邦題をつけるのは理解できるけれど、この邦題は!? 邦題でかなり損をしてそうな、見たら気に入る人に届いていないのでは。

ものすごく良かった。好き。ジュリエット・ビノシュも素敵。口にものが入ったまま大きく口を開けて笑う場面も良い。裸で「枯葉」を歌う男。ビノシュも若い2人も、職業や環境が違っても、周りの男性からはいわゆる女性としての役割とされていた事しか期待されていなくて、3人共、普段は一人で闘っているし、あたしもがんばろう、って気になる。

映像がきれいで洒落ていて、誰か気になったら、これも『愛の原罪』や『Wszystko, co kocham』(All That I Love)のMichał Englertによるものだった。彼は、この監督の作品の撮影監督をずっと務めているのかしら。知らなかったけれど、この監督の作品は日本でも公開されているようなので、どんどん見ていきたい。この監督、以前、見たいと書いた『W imię...』W imie...(In the Name of)の監督で、さらにMateusz Kościukiewiczと結婚していたとは!

男性の監督と女優の妻、という組み合わせで仕事しているのはよくあるものの、女性の監督が男優の夫で映画を撮るって、あまり無いのでは。あたしが知らないだけかもしれないけれど。アニエス・ヴァルダの夫も監督だったし、ミア・ハンセン=ラヴも。

この記事の二人、素敵過ぎて眺めているだけで倒れそう。

www.vogue.pl彼が主演の新作も気になる。