『ラッキー』

『ラッキー』Lucky(ジョン・キャロル・リンチ John Carroll Lynch)
この監督がどんな人なのか全く知らないのだけれど、ハリー・ディーン・スタントンファンがハリー・ディーン・スタントンファンのために作ったような映画だった。最初、初めて家の外へ出る場面で、ドアを開けるとその隙間から向こうがぱあっと光るのには、ええ? もうあっちの世界へ行ってしまうの? って、なんだかドキドキした。パーティーで歌う場面ではなぜか泣きそう。彼の役のイメージは、何の仕事をしているのか、仕事をしているのかすら不明で、いつも昼間からお酒を飲んでいたり、そしていつも若い女の子が横に居るの。この映画でも、若い女の子が放っておかない。
学生の頃、彼を見ては労働なんてするものか、と思ったものだけれど、現実のあたしは、この映画の彼の年齢くらいになっても、毎日コーヒー飲んだりお酒を飲んだりするどころか、ヨガなんてするスペースも無いような場所に住んで、働いていたりしそうで、そんなことを考えたら、少しどんよりした。昔、手相を見てもらった時に、年をとっても仕事や趣味で忙しくしていると言われたからか。
リンチの声が大きいのは、『ツイン・ピークス』の彼の役が意識されていいるのか、関係なく老人で耳が遠いという設定なのか。忘れていたけれど、『ツイン・ピークス』を見なくては。
生田耕作が、オカルトの本を読み漁ったら、死ぬのが怖くなくなったとか、そんなことをインタビューで語っていたのを思い出した。何で読んだのだっけ。