メアリーの総て

『メアリーの総て』Mary Shelley(ハイファ・アル=マンスール Haifaa Al-Mansour)
原題が『Mary Shelley』なのに邦題を『メアリーの総て』にしてしまうのが理解できない。『メアリー・シェリー』で良いのに。『フランケンシュタイン』の著者だということは、そこそこ日本でも知られているだろうし、メアリー・シェリーの映画だと公開前から知っていたから見に行ったけれど、知らなかったらタイトルだけ見てどこのメアリーの話か知らないし見逃したかもしれない。50越えても生きていた人の20代前半くらいまでしか描いていないのに「総て」なんて要らないじゃない。邦題を知った頃からずっと文句を言っている。

メアリー・シェリーだからつい見たくなるけれど、映画自体はそんなに良くは無かった。衣装が、エル・ファニングの着ているものが今でも着られそうな感じの、すごくかわいらしくて、家の中であたしもこんな格好をしていたいと思うものだったものの、これって随分現代的にアレンジされてる?

バイロンシェリーもクズだよね、と見る前に話していたのに、普通に養育費を払っているので、日本における離婚した男性の多くが養育費を払っていない問題など頭にあると、あの二人はお金持ちだとはいえ、良い奴じゃん、なんて思ってしまいそうで、当たり前のことのはずなのに、そんな風に思いそうなのをやめたい。

ポリドリの「The Vampyre」って、1冊の本にするほどのボリュームがあったっけ? と帰って本を見てみると20頁くらいはあった。『Frankenstein』の後ろに付いていて読んだけれど、昔の事だからもっともっと短いような気がしていた。学生の時に読んだきりで、この機にまた読み返そうかと『Frankenstein』を出してきてみたら、栞代わりに香水のサンプルを吹き付ける紙が挟まっていた。かわいかったな、自分。

これを見て以来、ケン・ラッセルの『ゴシック』ももう一度見たいような気がしつつ、あれも特別面白いものでもなかったような気が。パーシー・シェリーをジュリアン・サンズが演じていた事と、そのジュリアン・サンズが裸で屋根の上に仁王立ちしていたような記憶しか無い。その記憶が正しいのかどうかも不安。それにしても、裸が好きなのか。そういえば、去年見た『Beyond Words』でも、Jakub が部屋の中を裸で歩いていて美しい背中とお尻が見られるし、上司はビルの屋上で集団で裸でヨガ(?)をしていたし、どちらも好きな場面。羞恥や笑いや嫌がらせと関係のない裸は好きかな。

『幻の城 バイロンシェリー』(Rowing with the Wind)、『幽霊伝説 フランケンシュタイン誕生秘話』(Haunted Summer)も、見てみたい。ヒュー・グラントバイロンとか、エリック・ストルツのシェリーなんて。

フランケンシュタイン』といえば、ケネス・ブラナーのものを日本での公開前にロンドンで見た。ロバート・デ・ニーロの初めて登場する場面で、場内に笑いが起こって、「え? ここ、笑うところ?」って疑問だったのを今でも憶えている。