パヴリコフスキ

危険なくらい暑いけれど、大丈夫でしょうか?

ちょっと映画に出かけただけで気持ち悪くなって、これが熱中症ってものなのかしら、と思った。なんだか常に少し血が足りてないような感じで週末はほぼ外へ出ずにぼやっとしてしまった。少し前にも、これを食べれば元気になるかと中華屋でにんにくの芽の入った炒め物を食べたらお腹をこわすし、弱い。入ってくるニュースも、むかついたり気が滅入ったりすることばかり。無意識に大きな声で「Champagne Supernova」を歌っていたのを知らない人に聞かれて辛くなったけれど、これは知り合いに見つかっても辛いな。きっと暑さのせいだから許して。

 

『COLD WAR あの歌、2つの心』Zimna wojna(パヴェウ・パヴリコフスキPaweł Pawlikowski、Pawel Pawlikowski)

ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー』でファンになった、ヨアンナ・クーリグが出ているからとその後で『イリュージョン』も見て、その監督で彼女が主演だからすごく楽しみだった。そして、期待以上。すごい。画面の美しさで胸が苦しくて泣きそう。ポーランドの部分とパリの部分で撮り方が違うというのか随分雰囲気が違うのも面白い。二人とも色気のある魅力的なカップル。セリフの少ない中で、ズーラの一緒に行かなかった理由が重いし、彼女の酒をあおる姿は、絵として美しくても見ているのが辛い。もう一度見たいような気もしつつ、何日も何回も反芻しているうちに苦しくなって、次に見たら最初のあたりから泣いてしまいそうでやめた。時々、タルコフスキーの『ノスタルジア』を思い出した。

それにしても、これから去年以前の設定でパリを舞台にした映画を撮る場合、ノートルダムはどうするのだろう。写り込まない場所を選ぶのか、CGなどの技術であるように見せるのか。でも、名古屋も随分風景が変わった所が多いし、20年くらい前の設定でドラマを撮るのもけっこう難しそうな気がする。久しく日本の映画もドラマも見ていないから、どうなのかよく分からないけれど。

 

『イーダ』Ida(パヴェウ・パヴリコフスキPaweł Pawlikowski)

アンコール上映、ありがたい。こちらも良かった。叔母が素敵。『Sala Samobójców』(Suicide Room)の母親だった人か。『COLD WAR』といい、こちらも、世界にはまだまだあたしの知らない色気があって映える良い俳優がいるのだなあと、暑さのせいか頭痛が酷い中でも生きる希望のようなものを感じる。それとも、この監督の作品が俳優の美しさを最大限に引き出しているというのか。家に帰って調べてダヴィット・オグロドニック Dawid Ogrodnik って、『イレブン・ミニッツ』でアンジェイ・ヒラの息子役だった人だと気付いた。あの時気になって調べたのに。この監督の映画はこれからも見ていきたい。