近況と2020年に読んだ本2

地震など色々ありましたが、お元気でしょうか、ご無事でしょうか。
一時期頭痛や寒気がして、とうとうもしかしてアレなのかと思ったりもしたけれど、気温差が激しかったから風邪をひきかけただけみたい。一年で一番いやな仕事に手をつけたくなくて忙しさを理由に逃げていたものの、そろそろやらないと大変まずい。早く片付けて解放された方が良いのに、毎年何をしているのか。

 

『The Serpent』というBBCのドラマのサントラを聴いたらジャック・デュトロンの「Les Cactus」が入っていたので、それ以来時々彼の曲を聴いている。良いね。ベスト盤を1枚だけ持っていた。BBCでタハール・ラヒムが主演のドラマとは。なんだかよく知らないけれど、もうすぐNetflixでも見られるようで、このサントラを聴いているとかなり楽しみ。

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本当に今更去年読んだ本なんて何しているのかと思いつつ、ほとんど書き終えてあったので、そのままあげてしまう。今は宮脇孝雄の『洋書ラビリンスへようこそ』を読んでいたのですごく洋書を読みたい熱が高まっている。この本には、気になっていた『Normal People』も紹介されていた。とにかく早く仕事を片付けよう。

洋書ラビリンスへようこそ

洋書ラビリンスへようこそ

  • 作者:宮脇 孝雄
  • 発売日: 2020/11/27
  • メディア: 単行本
 

 

2020年に読んだ本2

『闇のシャイニング リリヤの恐怖図書館』Shining in the Dark(スティーヴン・キング他 ハンス=オーケ・リリヤ・編 扶桑社)

ケッチャムとP・D・カセックの「ネット」、2003年の男女のメールのやり取りで進んでいく作品で、2003年といえば、mixiもまだ無かったし(調べたら2004年にサービス開始で、あたしが招待されたのもその年だった。そしてFacebookも2004年にできたのか)、あれらが始まる前はあたしもこんなふうに長文のメールを毎日のように交わしていた。あれに付き合ってくれていた人には本当に感謝しかない。人の通信手段ってどんどん変わってきてるのね。
全然知らない作家ばかりで、このような短編で判断するのもいけないけれど、キングはやっぱり文章が違うな、と思った。「炎に溺れて」など、せっかく蛾の群れが襲ってくるようなわくわくする話なのに、描写にぞわぞわさせるような感覚的に訴えてくるところが無くて物足りない。

 

『もう終わりにしよう。』I'm Thinking of Ending Things(イアン・リード Iain Reid 坂本あおい・訳 ハヤカワ文庫)

ジェシー・プレモンスの父親がデヴィッド・シューリスというので、Netflixで配信される映画を見るために、その前に本を買って読んだ。本だけ読んだ人と、映画だけの人と、両方読んで見た人で、受け取り方が随分変わりそう。たいした事は書いていないけれど、これからこの作品を楽しみたい方はこの後は読み飛ばして。

どんな話かほぼ知らないまま買ってきてカバーの後ろの袖にある「……優秀なサイコ・サスペンス作品に贈られるシャーリイ・ジャクスン賞の最終候補にもノミネートされ」を見かけ、「サイコ・サスペンス」って見聞きすると「どうせ○○○が▲▲で、さらに◇◇でるんでしょう?!」と反射的に警戒して(でもそれ大抵半分くらい当たっているのだもの)、「あー苦手なやつかも」と思いつつ、それでも読ませるから、すごい勢いで読んだ。たぶんあまり知識を入れないで読んだり見たりした方が面白いのだろうけれど、タイトルで検索すれば「他の人はこちらも検索」などと重なる部分のある作品が一緒に表示されて、ああいう系統の話なのかと分かってしまうし、今は先におちおち検索すら出来ないのか。話を知っていても楽しめると言ってもね。小説より映画の方が好きかしら。主人公二人の配役が良い。日本の氷河期世代と言われる人たち(あたしも含まれる)には泣けちゃう話ではないか。
ヘミングウェイの『移動祝祭日』で最初の章だったかにある、カフェで見た美しい女の子を想いながら小説を書いている部分を思い出した。若くて鮮やかで何度読んでも良いなと思うものの、自分が見られたり好意を向けられたりする側だったこと、昔は勝手に想ってくれているだけなら良いよ、くらいに考えていたものの、かなり気持ちの悪い方法でそれを伝えられたり相手の望むことをかなえられないことで危害を加えられたりしたのが思い出され、知らぬところで強く想われると、それだけで想われた本人が気付いていなくても何か減っているというのか、何かしらダメージを受けているのではないかという気すらしてしまう。念とか生霊の話? 何を書いているのか自分でもよく分からなくなってきた。あたしも色々な人を勝手に好きになるのに。世界中の大勢から愛されたり様々な感情を抱かれるセレブリティって、ものすごく強い方々なのでは。
小説はもう少し丁寧に読み返せばもっと面白いのかもしれないが、妹に貸してしまって手許に無い。

なぜこんなにサイコ・サスペンスとかサイコ・スリラーという言葉に反応するかというと、一時期量産されて微妙なものをいくつも見たり読んだりしたからだと思うのだけれど、何周かしてまた流行っていたりするの? 流行りとかじゃなく定番の一つなの?

 

『野蛮人との生活 スラップスティック式育児法』LIfe Among the Savages(シャーリイ・ジャクスン Shirley Jackson 深町真理子・訳 ハヤカワ文庫)

ずっと読みたかったもの。声に出して笑ってしまうくらい、ものすごく面白いものの、自分が野蛮人だった頃が思い出されて、いたたまれなくなる。劇を見せる話とか、デパートに行く話など。母親に申し訳なさでいっぱい。その後の『Raising Demons』(Demons! 確かにDemonsかも)も読みたい。読んでいる間、毎日この本の話ばかりしていた。今でもしちゃう。