Bang Bang

かなり生々しい感情の残る夢を見て、起きても少し疲れた。

Adrien GalloとClara Lucianiが歌っている「Bang Bang」、好きな曲なので嬉しくて、何度も繰り返して見てしまう。仕事関係で神経がすり減っているし、慰めが必要。AdrienはBB Brunesの新作も良いけれど、好きな人が好きな曲を歌っているのも楽しい。それから、男性がフリルのシャツを着ているのに弱い。

この曲を知ったのはグザヴィエ・ドランの『胸騒ぎの恋人』Les Amours imaginaires。『わたしはロランス』と『マイ・マザー』は引っかかる部分があって、『トム・アット・ザ・ファーム』はそれが感じられないしタンゴの場面にやられてわりと好きなのだけれど、これまでに見た中で一番好きなのは『胸騒ぎの恋人』かしら。最後のルイ・ガレルに突進する二人の、また面倒くさそうな人を好きになってしまって、というのも良いよね。

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近況とバビロン・ベルリンとか

災害とか増税とか大変だったり滅茶苦茶だったりすることばかりが入ってくるけれど、皆さまご無事でしょうか。

疲れて少し仮眠したら寝汗かいて目が覚めて、エアコンを入れて夜中にアイスクリーム食べていて、そんな10月って、どういうこと? まだ半袖だし。

8月後半は、今頃なのだけれど中毒性があるのか『ゴシップ・ガール』を見始めたら止まらなくなって、最低限の仕事と寝食以外の時間をほぼ費やしていた。チャック・バスとブレアが好きなので二人がストーリーの中心になっていくのは楽しかった。すれ違いや障害の連続でなかなか結ばれないロマンスというのは、携帯電話の無い時代設定でしか難しいのかと思いかけていたけれど、携帯電話があっても可能な事を証明してくれたというのか。セリーナの愛読書という『美しく呪われた人たち』(美しく呪われし者)が日本では「本邦初訳」として今年出ていたことに驚いた。あたしでもタイトルくらいは聞いたことくらいはあるのに、フィッツジェラルドでも訳されていないものがあったなんて。ダンはその後、職業作家として続けていけるのか、何を書いていくのか、気になる。

 

9月はその反動か仕事に追われて、今やっと一息つけた。それは気のせいで、まだ忙しさは続くのかも。ああ。あいちトリエンナーレホドロフスキーを少し楽しみにしていたのに、他の事に気を取られていて行きそびれた。クリムト展で久し振りに豊田市美術館に行った。人気のようで、事前情報から妹がコンビニでチケットを買っておいてくれたから良かったものの、チケット売り場は恐ろしいくらいの行列だった。家に帰って「チケット売り場がすごかった。ディズニーランドみたいな行列だった」と言ってしまってから、自分がディズニーランドなんてたぶん15年以上行ってないし、最後に行ったのはフロリダのだし、そんなに並んだかも記憶がなくて、めちゃくちゃいいかげんな事に気付いた。美術館の近くの中華料理屋で、皮の厚い水餃子を食べて感動した。学生の頃に北京で食べて以来、皮の厚い水餃子が好きでたまらないのに、自分で作る以外に食べられる場所を知らなかった。

 

以前書いた『バビロン・ベルリン』がとうとう日本でも放送されるそうで嬉しい。でも、うちではBSは見られないから妹に録画をお願いした。忘れられていないと良いけれど。忘れられたら、仕方ないからまた英語の字幕で見る。そういえば、原作はまだ3分の1くらいしか読めていない。まずい。

そういえば、リンク先に予告の動画を貼った、Severija Janušauskaitė(Severija Janusauskaite)の出演している『パーフェクト・ワールド 世界の謎を解け』Chernovik 英 A Rough Draft(セルゲイ・モクリツキー Sergey Mokritskiy)は見た。凶悪な顔をしたマトリョーシカが襲ってくるやつ。ロシアやSFにあまりなじみがなかったからか、よく分からないところもあるものの、映像はすごいし新鮮で面白かった。続編は作られるんだよね?? この映画の説明によるとナイト・ウォッチ』シリーズの作家セルゲイ・ルキヤネンコのベストセラー小説を映画化したものだそうだけれど、この映画の原作は翻訳が無いし、『ナイト・ウォッチ』の方も6部作なのに(hexalogyって単語を知った)2作目までしか訳されていないのか。

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栗きんとんと映画音楽

9月も暑い。ノースリーブでも暑い。でも、栗きんとんをお土産にもらったし、もう秋なのかしら。「すや」という有名店のものなのだそうで、大変上品で美味しかった。憶えておきたい。

 

今日見つけたのだけれど、BBC Radio3の「Sound of Cinema」という番組が楽しい。今日の「Spooky Children」、子どもの出るホラー特集も良かったし、過去の分の「The Spaghetti Western」、マカロニ・ウェスタンの回がたまらなくて、駆け回らんばかりに興奮して眠れなくなった。あと1日しか聴けないみたいだから、聴けて良かった。同じ部屋にいる人から「モリコーネもマカロニも嫌いだ、聴きたくない」と言われているけれど。

www.bbc.co.uk番組のページはこちら、これから毎週楽しみ。子どもの頃、週末にラジオで映画音楽の番組を聴いていたのを思い出す。

www.bbc.co.uk

読んだ本

エアコンの効きが良くない暑い中、なんとか腐らずに生きているあたしへのご褒美に注文してあったJakub Gierszał主演の『Najlepszy』が届いたので見た!! ドラッグの中毒だった人がそれを克服してトライアスロン、それもダブル・アイアンマンという、それぞれが通常の倍の距離のもののチャンピオンになるまでの、実在の人をモデルにした映画。Jakubが主演という以外に見る理由があまり無かったけれど、良かった。とりあえず、もう1回見てから何か書きたい。

 

『グッド・オーメンズ』上下 Good Omens(ニール・ゲイマン Neil Gaiman テリー・プラチェット Terry Pratchett  金原瑞人・石田文子・訳 角川文庫)

一昨年だったかに原書で読んだのの復習というか答え合わせというか。翻訳、ありがたいな!! こんなにするする読めるなんて。このところ英語訳の本をなかなか読み進めずにいたから、しみじみ思う。ドラマも気になるものの、Amazon Primeに入る気になれなくて、まだ見ていない。

本文と関係ないけれど、後ろの『シャーロック・ホームズの冒険』の紹介文で「女性翻訳家ならではの細やかな感情表現が光る」とあって、「え、今、2019年でしょう?」って、なんなんだろうね、もう。

 

『才女の喪服』(戸板康二 河出文庫

戸板康二は良い作家だと聞いて、とりあえず歌舞伎の知識とかが必要なさそうなものから。複雑。「惨劇」が起こるのは後半。すっかり忘れていた設定が最後に出て来て、声が出そうになった。

才女の喪服 (河出文庫)

才女の喪服 (河出文庫)

 

 

『怪書探訪』(古書山たかし 東洋経済新報社
ネットで連載されていたのを読んだことがあって、気になっていたものを、やっと。面白かった。もっと早くに読めば良かった。探偵ものとかに偏っていない広い知識に基づかれているのが、読んでいて楽しい。トーマス・マンの署名本や『カイゼルの末路』の章が好き。部屋が水浸しになった部分では、以前、知人から「天井から水が漏っている」と電話を受けたけれど、遠すぎて何もできなかった事などぼんやり思い出して、翌日素直にベランダの掃除をした。それから、『怪人ジキル』の復刻を持っているのを思い出した。変な本を読むのが好きだと知られたからか何だったか、理由は忘れたけれど人からもらって、「カミの翻案? 面白そうだねー」と話しつつ、手に入った安心感からかすっかり忘れていた。掘り出して読みたい。

怪書探訪

怪書探訪

 

 

 

パヴリコフスキ

危険なくらい暑いけれど、大丈夫でしょうか?

ちょっと映画に出かけただけで気持ち悪くなって、これが熱中症ってものなのかしら、と思った。なんだか常に少し血が足りてないような感じで週末はほぼ外へ出ずにぼやっとしてしまった。少し前にも、これを食べれば元気になるかと中華屋でにんにくの芽の入った炒め物を食べたらお腹をこわすし、弱い。入ってくるニュースも、むかついたり気が滅入ったりすることばかり。無意識に大きな声で「Champagne Supernova」を歌っていたのを知らない人に聞かれて辛くなったけれど、これは知り合いに見つかっても辛いな。きっと暑さのせいだから許して。

 

『COLD WAR あの歌、2つの心』Zimna wojna(パヴェウ・パヴリコフスキPaweł Pawlikowski、Pawel Pawlikowski)

ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー』でファンになった、ヨアンナ・クーリグが出ているからとその後で『イリュージョン』も見て、その監督で彼女が主演だからすごく楽しみだった。そして、期待以上。すごい。画面の美しさで胸が苦しくて泣きそう。ポーランドの部分とパリの部分で撮り方が違うというのか随分雰囲気が違うのも面白い。二人とも色気のある魅力的なカップル。セリフの少ない中で、ズーラの一緒に行かなかった理由が重いし、彼女の酒をあおる姿は、絵として美しくても見ているのが辛い。もう一度見たいような気もしつつ、何日も何回も反芻しているうちに苦しくなって、次に見たら最初のあたりから泣いてしまいそうでやめた。時々、タルコフスキーの『ノスタルジア』を思い出した。

それにしても、これから去年以前の設定でパリを舞台にした映画を撮る場合、ノートルダムはどうするのだろう。写り込まない場所を選ぶのか、CGなどの技術であるように見せるのか。でも、名古屋も随分風景が変わった所が多いし、20年くらい前の設定でドラマを撮るのもけっこう難しそうな気がする。久しく日本の映画もドラマも見ていないから、どうなのかよく分からないけれど。

 

『イーダ』Ida(パヴェウ・パヴリコフスキPaweł Pawlikowski)

アンコール上映、ありがたい。こちらも良かった。叔母が素敵。『Sala Samobójców』(Suicide Room)の母親だった人か。『COLD WAR』といい、こちらも、世界にはまだまだあたしの知らない色気があって映える良い俳優がいるのだなあと、暑さのせいか頭痛が酷い中でも生きる希望のようなものを感じる。それとも、この監督の作品が俳優の美しさを最大限に引き出しているというのか。家に帰って調べてダヴィット・オグロドニック Dawid Ogrodnik って、『イレブン・ミニッツ』でアンジェイ・ヒラの息子役だった人だと気付いた。あの時気になって調べたのに。この監督の映画はこれからも見ていきたい。

『アメリカン・アニマルズ』

もう7月だなんて! しばらくさぼっていた勉強を再開したい。『COLD WAR』は期待以上だった。好き。美しくて胸がいっぱい。Netflixに『パイレーツ・ロック』が入ったので、アイスクリームを食べながらとりあえず最初と最後だけでもと見てみたら、最初はぼんやりとした記憶の通りだったのだけれど、最後の「レッツ・ダンス」は、あたしの記憶の中ではビル・ナイが1曲まるっと踊っていることになっていたのに、全然違った。怖いな。彼への想い故に彼の存在がものすごく膨らんでいたって事? 時間の無い日でも寝る前に彼の踊る姿を眺めたら癒されるだろうと勝手に期待していたのに。


アメリカン・アニマルズ』American Animals(バート・レイトン Bart Layton)

アメリカの鳥類』を盗むなんて! と公開前から楽しみだった映画。そんな事件があったことすら知らなかった。複雑な思いや居心地の悪さなども感じつつ、面白かった。見終わった後で人といろいろ喋りたくなる。これまで名前くらいしか知らなかったバリー・コーガンが気に入った。「なんだ、このかわいい人」と思って眺めていたら、あっというまに映画が終わった。その後すぐにNetflixで『ダンケルク』も見た。家に置いておきたいくらい、かわいいな。ウド・キアの本物っぽさ、というのか近付いてはいけないひと感が強烈。

 

あまり情報を入れずに見た方が面白いと思うから、これから見たいという人は以下、見るまで読まない方が良いかも。

 

本は、揃っているのと揃っていないのとでは全然価値が違うのだから、持って行くなら全冊持って行かなければだめだよね。それにしても、あんなに大きくて重たい本を2冊同時に持って行くなんて、すごい。あれだけ見取図を描いたり準備に時間をかけていたのに、なぜこんなにぐだぐだなの? 下見とかしなかったの? そして、なぜクリスティーズ!? そもそもお金が欲しいのなら、あんな換金の難しそうなレアなものは狙わないよね。あんなに目立つ大きな物もね。外の見張り役は何かの役に立ったのか?

それをする目的も考えずに必要な基礎的な努力もせずに、表面的な自分のやりたい部分だけ真似して、それらしきものを作ったり何かしたがる人って、いい歳した大人でもいるし、そういうのに仕事等で自分が付き合わされると酷い目に合うのだけれど、彼らもそう。でも、あたしも学生の頃なんてあほだったし、さえない地方都市で退屈していて、彼らをあほだなって単純に笑えない、なんて話していたら、「私は断じてあんなばかではなかった」とはっきり言われた。

被害者の司書の女性に関しては本当に気の毒で、本人が出ているのもすごい。後の生活にも影響が出そうな恐怖を体験したのに、そんな出来事を、良い感じの俳優に音楽に編集のおかげで娯楽作品として楽しんでしまえるのは、自分も含めて彼女の被害を軽んじているのではないか。そんな気がして、大変居心地が悪い。彼女がこの映画を見て、自分を襲った相手を知ることによって安心できたとしても、そういう問題では無い気がする。現実に、血を流したり目に見える派手な怪我でもしていなければ、外からは容易に見えない肉体的な被害や大きな精神的な被害を受けていたとしても「大事に至らなくて良かった」と言われたり、自分でも言ってしまったりしてそう。そんなことを思うと怖い。

2004年の事件とのことで、それくらいかそれ以前の若者(その頃若者だった人)なら、この主人公たちのスペシャルな何かになれない平凡な将来への不安や苛立ちみたいなものも共有できるかもしれないけれど、今はそれが贅沢な悩みというのか、もっと生活に関連した切実な悩みや問題を抱えた人の多い時代だし、この映画自体は面白くても、いろいろ考えるとどんよりしてくる。

パリの異邦人とドライカレー

ごぼうがあったので、久し振りにごぼうのドライカレーを作った。これまでと同様『「ル・クルーゼ」で、つくりたい料理』(平野由希子 地球丸)にある「レンズ豆のカレー」を参考に。本当は牛ひき肉が良いけれど、スーパーマーケットに無かったので合挽肉で、セロリも無かったので省いた。今日外に出なくていいように昨夜買い物を済ませたつもりだったのに、煮始めてからカレー粉が見当たらなくて少し焦ったけれど、棚の奥から期限が1年前の未開封のS&Bの赤い缶が出てきた。それに、クミン、コリアンダー、カルダモン、ガラムマサラなど適当に足して、チャツネを入れるよう言われたので、それも入れた。これまでは、ごぼうを厚めのささがきにしていたけれど、火をいれなおす度に歯応えが失われるので、今回、二つ割りにしてから1センチ強くらいに刻んでみた。ごぼうの主張が強い野性的な味。半分くらい実家に持って行こうかと思って電話したら、母が「一昨日カレーを作ったし、今夜もカレーうどん」と言うから、今日は一歩も外へ出なかった。

「ル・クルーゼ」で、つくりたい料理

「ル・クルーゼ」で、つくりたい料理

 

 

『パリの異邦人』(鹿島茂 中央公論新社)を読んだ。映画『コレット』を見て以来、またフランスやパリへの関心が高まり中。ちょうど少し前に『マルテの手記』を読まねばと言っていたところで、『A Moveable Feast』は中断しつつもちびちびと読んでいる途中、昨夜フランコ・ゼフィレッリが亡くなったことに関連して会話に『聖なる酔っぱらいの伝説』(あたしは未読で未見)が出てきたりしていて、自分の中では色々と旬だった。オーウェルの章で、フランスでも貧乏だとパンにバターでなくマーガリンをつけるのか、と驚いたけれど、Wikipediaを見たら、マーガリンってフランスで発明されたものなの? 「酪農大国」っていうし、バターもチーズもふんだんにあってお金が無くてもバターが買えるような、そんな勝手な幻想があった。というより、特に深く考えた事もなかった。バターの方が断然美味しく幸福度が高いとはいえ、値段もあるけど冷蔵庫から出してすぐに伸ばせる操作性の良さからマーガリンを買ってしまうというのもあるよね。読みたい本が増える。読んだのは単行本の方。文庫版には9人分も追加されているのか。今、知った。

 

パリの異邦人 (中公文庫)

パリの異邦人 (中公文庫)