美人でなくてもファム・ファタルになれる

『石の微笑』LA DEMOISELLE D'HONNEUR(監督:クロード・シャブロル)を見に行った。名まえを聞いただけでは知らない監督だったけれど、この監督の『ふくろうの叫び』は結構好き。建物や風景が好みで、色や間の取り方のようなものが心地良い。
ブノワ・マジメルが素敵。あまりそそらないけれど『ピアニスト』も見てみようかしら。彼の家族は母親が美人で妹2人もチャーミングなのに、彼を夢中にさせるセンタ役のローラ・スメットの容姿にあまり魅力が感じられない。とはいえ、ずっと見ていくと、ウィッグをつけた夜や、時々ちょっと良い表情をするときがある。美形一家に生まれ、良い息子であり、生身の女性にあまり慣れていなさそうな彼には、新鮮で衝撃だったのでしょう、と勝手に納得する。美人というわけでもなく、美人と対極にあるというわけでもない、並のちょっと上くらいの容姿のファム・ファタルというのも面白くて良いわね。これは全く好みの問題だけれども。
バンドネオンの生演奏で踊る、妹の結婚パーティーが楽しそうだった。