『チャイナタウンからの葉書』

『チャイナタウンからの葉書』THE PILL VERSUS THE SPRINGHILL MINE DISASTER(リチャード・ブローティガン Richard Brautigan 池澤夏樹・訳 サンリオ)を読んだ。1977年の本で、こんな本があることも知らなかった。なぜか分からないけれど、彼の詩も小説も読んでいると泣きそうになる。どこがどうだからというのでなく、どこを読んでいても胸が苦しくなってくる。それでもちょっとくすって笑ってしまったり、可愛らしいなあと思ったり、やはりこれはある種の恋なのだと思う。訳者のあとがきによると、ブローティガン藤本和子以外に翻訳してもらいたくないと決めていたのだけれど、詩の翻訳は詩人がやった方が面白い結果になるのではないか、と藤本和子の口添えを得て、特別に著者の許可を貰えたのだそう。確か彼の詩集って何人かの訳で出ているから、読み比べてみるのも面白そう。