『タブー ジャンヌの日記』

『タブー ジャンヌの日記』JOURNAL DE JEANNE(マリオ・メルシェ 安部達文・訳 二見書房)を読み終えた。面白いよ、といっていただいたものなのだけれど、こんなにとは思わなかった。読み終えてすぐに興奮のあまり感想を伝えるために電話したくらい。マンディアルグも絶賛。彼はこの作品を「生の芸術」(art brut)ならぬ「生の文学」(litterature brute)といっていて、このあまりに自由で不思議な話はそう呼びたくもなるものの、litterature bruteというには、完成され過ぎているというのか頭の良い作家がきちんと作った感じ。詩的で耽美な官能小説のようで、途中から人喰い(遠い東の国の牛みたいに人が飼育されているのね)、蛭の水槽、生物兵器、処刑便所、ペニス植物など次から次へと押し寄せてくる。こんなに楽しいポルノ小説を読んだのは久しぶりか初めてか。何度も読み返したい。幸せ。