『幽霊名画集』

『幽霊名画集 全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション』(辻惟雄・監修 ちくま学芸文庫)を読み終えた。ちょうど少し前にNHKの「美の壺」でも幽霊画の回があり、この円朝コレクションも紹介されていたわね。「牡丹燈籠」がこんなに複雑な話だったとは。うっとりとするもの、ぎょっとするもの、おかしくて笑ってしまうもの、バリエーションに富んでいて楽しい。中村芳中の「枕元の幽霊」なんて、夜中にもし見てしまったらそのまま発狂したい。高田衛の「幽霊の〈像〉の変遷」で紹介されている小さな図が、よくよく見ると生首が飛んでいたり、幽霊が逆立ちしていたり、幽霊が串刺して火あぶりになっていたり、幽霊に身体を引き裂かれていたり、けっこうすごい絵で、原寸のものをきちんと見てみたい。
幽霊名画集―全生庵蔵・三遊亭円朝コレクション (ちくま学芸文庫)