『レッドクリフ Part I』

レッドクリフ Part I』RED CLIFF(監督:ジョン・ウー)を見に行った。一仕事終わったので久しぶりに映画。「あかかべ」と読んだら呆れられてしまった。『三国志』って、教科書に少し出てきたのを憶えているような気がしているくらいで、登場人物の名まえを何人か知っているだけ。だからこういう機会に見ておくのも良いかなあという気もなくはなくて、そのため映画用に話がアレンジされていても分からない。
全然見たがっていない同行者から、見に行く前に「『男たちの挽歌』って好き?」「別に(だって見ている方も痛いんだもの)」「『フェイス/オフ』って好き?」「別に(でも、顔変えちゃうという馬鹿馬鹿しさはすごいと思う)」「『M:I-2』は好き?」「いや別に」「じゃあ、なんで?」に対する答えは「トニー・レオンが出ているから」なのだが黙っておいた。映画が始まるとき、「奈津子ちゃんの字幕って、これ英語なの?」(後から考えると、彼女は英語以外の作品も手掛けていたわよね)と少し驚き、いきなり日本語が画面いっぱいに並び始めて音声も日本語なので、「間違えて吹き替え版を選んでしまったのかしら、どうしよう」と立ち上がらんばかりの勢いでそわそわしてしまった。日本語による解説が付けられていただけみたい。
トニー・レオンは、人間くささというのか弱さの感じさせ方が良くて、きっとそこにくらりとさせられちゃうのだと思う。金城武は、本人はきっと賢いのだと思うのに、あの和ませる顔があんまり飛び抜けて頭の良さそうな人に見えなくて少し違和感があるものの、あの顔を見ていると、この人はひどい目には合わないだろうという気がして安心していられる。それから前にも書いたかもしれないけど、瞳がきれい。中村獅童は、きちんと喋っていて感心する。覚えたのかしら。この映画に馴染んでいて、これまであまり関心がなかったけれど意外と良かった。
ロード・オブ・ザ・リング』の2話目か3話目もそうだったのだけれど、大勢対大勢の戦闘って途中で飽きてくるのは、そういうのにあまり興味がないからなのかしらん。そういう人のために、主要な人らがそれぞれ独りで大勢の敵を相手にする見せ場が用意されているのかもしれないけれど、素人目には、周りの味方は壁になっているだけじゃなくて一緒に戦いなさいよ、といいたくなってしまい、それが順番に続くと、ね。かといって『七人の侍』を見たときは、1人ずつ敵を引き込んでは何人かでやっつけるという地味な戦い方に、これがリアルというのかもしれないけれどもっと華やかな方が良いなあ、というのが素直な感想だったので、どういうのが良いのだか分からない。