1月に読んだ本

地下出版のもの。何が問題かというと、この2人の作品を読むのはこれが初めてだということかも。深沢七郎の方は他の作品も読みたい。大江健三郎は「死者の奢り」を昔読みかけた記憶があるものの、読み終えたかどうかわからない。

この本が出ていることを全然知らなくて、今年に入ってから偶々本屋さんで見かけて慌てて買った。きちんと楽しませてくれる。まだ映画化されたものは1本も見ていないのだけれど、この作品も映画に向いているような気がする。

何年振りかの再読。もちろんリアルタイムではないけれど、彼女の海外を舞台にした作品は何度も何度も読み返して大好きだった。お花のいっぱい付いたスイムキャップが欲しかったことなど思い出す。何回読んでも楽しい。

この本をぱらぱらしながら「マタンゴだ」というのが聞こえたので覗きに行くと、「化烏」は人がキノコになってしまう話だった。発表された年から「マタンゴ」より前だけれど、水木センセはホジスンの「夜の声」を読んだんだろうなあ、とのこと。この作品、知らなかった。飯沢耕太郎の『きのこ文学大全』を見てみると「マタンゴ」の項にも「水木しげる」の項にも、この作品はない。「夜の声」は読んでいないけれど、きっちり水木しげるの作品になっていて面白かった。最後のころんとした巨大キノコがかわいくて、こんなふうならキノコになるのも悪くない。「バケドリ」「バケドリ」といっていたら、「棒がいっぽん足りないでしょ、よく見て」といわれる。

「墓をほる男」は、詩人の「三島ユキ夫」(顔も由紀夫に似ている)がジャン・コクトオに頼まれてしゃれこうべを土産にするため墓泥棒したり、女の子をナンパしたり、最後には××でしまう話。三島由紀夫が存命だった頃に発表されていたようで、すごいよねえ、と感心。 この頃の絵の方が荒々しかったり勢いがあったりで良いな。あんまりマンガは読まないけれど、知っている漫画家の絵は大抵だんだん線が洗練されていくというのか、つるんとした感じになっていってしまうから、初期の頃の絵の方が好き。


森の惨劇 (扶桑社ミステリー)