『ドリー・モートンの想い出』

いただきものの『ドリー・モートンの想い出』(作者不詳 生田文夫・訳 富士見ロマン文庫)を読み終えた。『グルッシェンカ』と同じくこれも鞭打ちがメイン。主人公ドリーの初夜、ランドルフは彼女を全裸にしてベッドに寝かせた後で自分は服を脱いでパジャマを着た、というのが少し意外で面白かった。パジャマといっても、シャツの丈を長くしたようなズボンの無いものだろうけれど。女性は裸、男性は着衣。そんな光景は絵などでもよく見かけるとはいえ、これからいたそうとする人が。そういえば、裸にしてタールを塗って鳥の羽をはり付けるって、先日見た『ルナシー』でも出てきたばかり。シュヴァンクマイエルフランス革命をあげていたけれど、南北戦争時にもあったのかしら。「ラブレー風裸婦の饗宴」なるものが出てきて、フランソワ・ラブレーの『ガルガンチュアとパンタグリュエル』も読みたくなる。