『黒い夏』

『黒い夏』The Lost(ジャック・ケッチャム 金子浩・訳 扶桑社ミステリー)を読み終えた。明らかに相手の話していることが間違っているのに、二人きりで話しているとこちらの方がおかしくなってきそうな男、こういうのは怖い。今まさに縁を切ろうとしている人ら(色恋じゃないよ)の中にもわけが分からなくなりかけているような男がいて、あたしも少々迷惑していたので、キャサリンとレイの別れ話のところが必要以上に響いてしまってちょっと辛かった。シャロン・テート事件が起きたそんな時代の設定で、その頃はシークレットブーツが存在しなかったのか、背の低いことを気にする男が不自然な歩き方になろうともブーツに密かに詰め物をしているのは泣かせる。これで翻訳されているものは全て読んでしまったのかしら。
黒い夏 (扶桑社ミステリー)