『第二の顔』

『第二の顔』La Belle Image(マルセル・エイメ 生田耕作・訳 創元推理文庫)を読み終えた。最近人からいただくまで、こんな作品があるとは知らなかったなんて、生田好きを名乗れませんね。とくに女性にもてるわけでもないような容姿の男が突然二枚目に、さらに若返ってしまう話。野ばらちゃんの『変身』は、やはりこの作品も意識されたのかしらん。表紙の真鍋博のイラストも素敵。見たことないけれど最近復刊されたものは違う表紙なのだそう。面白かったこの本は、同じく楽しい変身譚の『乳房になった男』の隣りに並べる。日影丈吉の本の時にも驚いたのは、昔の本って、著者・訳者の住所が記されているのね。もしその頃既に彼のことが好きだったら、こっそりお家を確認に行ってしまったかも。