『蜂工場』

『蜂工場』THE WASP FACTORY(イアン・バンクス Iain Banks 野村芳夫・訳 集英社文庫)を読み終えた。ペーパーバックの紹介を見て翻訳が無いか探したので、WASPってワスプ(White Anglo‐Saxon Protestant)のことじゃなくて、蜂のことだったと知った。考えたらスコットランドが舞台だものね。ジャック・ケッチャムも翻訳を全部読んでしまったし、今度はこれが読みたいのよー、といっていたら、「イヤな話ですよ」と何度も念を押された。確かに居心地の悪いイヤな話。表紙をよく見ると「結末は、誰にも話さないでください」とタイトルの下に小さく書かれていて、読む前から少しポイントが下がる。どうもこれをいわれてしまうと「私にはつまらないオチがあります」って予告されているような気がして。一人称が狂ってるということでパトリック・マグラアの作品を思い出し、自分の島を守る様子は『ずっとお城で暮らしてる』を思い出させる。凧で飛ばしてしまうというのは、ちょっと気に入った。気味が悪くて続きが気になるから読むのだけれど、文章があまり肌に合わないような感じ。
蜂工場 (集英社文庫)