『フランス式クリスマス・プレゼント』

『フランス式クリスマス・プレゼント』Contes érotiques de Noël(ジョゼ・ピエール、ピエール・ブルジャッド他著 José Pierre, Pierre Bourgeade にむらじゅんこ・大磯仁志・共訳 水声社)を読み終えた。La Musardineから出た本の全訳だそう。マリオ・メルシエやPierre Bourgeade(ピエール・ブールジャド? ブルジャッド? 字面からは「ブールジャド」の方が近い気がするのだけれど、どうなのかしら)の作品もあるから気になっていた本。この本の解説によると、先日見た映画『La Papesse』は文化大臣フランソワ・ジローによって公開禁止になったのだそうだ。なぜ? あんなにかわいらしいのに。期待していたメルシエの作品はグロさや突飛なところがなくて、幻想的なきれいな作品。ブールジャドについては、以前雑誌の対談の金子國義によると「生田耕作先生が、世界で現存する作家ではこの人しかいないとおっしゃった」のだそう。この本の作品と併せて『ピエール・モリニエの世界』にある文章を読み返し、お借りした『ミステリマガジン』にあった短篇も読んでみて、かなり好きになりそうな予感がして、もっと他の長編が読みたくなった。それにしても、ここまでおっしゃる生田センセイは、どの作品を読んでこんな評価をされたのかしら。短篇ばかりで、おお! っと興奮するような作品はないけれど、この2人の作品が読めただけでも満足。他の作家ではジョゼ・ピエールの「サンタクロースと四人の娘たち」が気に入った。
フランス式クリスマス・プレゼント