『さびしい文学者の時代』

『さびしい文学者の時代 「妄想病」対「躁鬱病」対談』(埴谷雄高 北杜夫 中公文庫)を読み終えた。帯によると「埴谷雄高生誕100年を記念し、四半世紀を経て初文庫化」だそう。そうか100年か。『奇抜の人』もタイトルが変わったけれど文庫になっていた。北杜夫が躁のときに「徹子の部屋」に出て徹子を困らせていたんじゃないかしらと語っていていて、徹子を困らせたなんて素敵だ。何度か「葦原将軍」という人の話題が出てきたものの、全く知らない人で、本には注も無くて、人からそんな人がいたということを教えてもらった。新聞記者が彼を取材に行ったという、昔の雑誌の記事を読ませてもらったら、彼は入院している病院で猫を飼っていたそう。のどかで良いね。以前『難解人間vs躁鬱人間』が面白かった記憶があるが、そちらはこの対談の四年半後のものなのだそう。あれも読み返したい。
さびしい文学者の時代―「妄想病」対「躁鬱病」対談 (中公文庫)