『山梔』

『山梔』(野溝七生子 講談社文芸文庫)を読み終えた。先月、西荻ブックマークの「ガルボのように ――1920-30年代東京・モダンガールとしての尾崎翠」に行くと決めてから、ちくま日本文学全集の『尾崎翠』を出してきて「こおろぎ嬢」と「第七官界彷徨」だけ読んだ。まだ読み始めた頃に「あたし、野溝七生子の方が好きかも」と喋っていて、その流れでこちらを読むことに。尾崎翠の方は、胸をきゅっとさせる部分もあるものの、なんというのか、モダーンな感じとか都会の軽やかさが感じられなくて、他の作品まで読む気分ではなくなってきたのでまた本棚に戻してしまった。野溝七生子は、辛くて仕方のないところもあるけれど、ずしんと響いて面白い。でも、あんまり病床で読みたい作品ではなかったような。ラストが素敵。あとは、おすすめされた『眉輪』か。
山梔 (講談社文芸文庫)   尾崎翠 (ちくま日本文学全集)