熊を放つどころではなかった

「ナイトZoo」というポスターで気になっていて、一週間くらい動物園が夜まで開園しているというのに行った。高校生か大学生かそんな頃に『熊を放つ』を読んで以来、夜の動物園というのはデートで行ってみたい場所の一つだったのだけれど、想像していたものとは全く違い、熊を放つためにはやはりこっそり入らないといけないのだと思い知らされた。着いておどろいたのは、ものすごい行列。動物園の人気をなめていた。どの檻の前も人だかり、シロクマを見るには行列ができていたので、近くで見るのすら諦める。ぼやっと立っているペンギンを眺めながら、昔ペンギンに似ているといわれたことなど思い出す。子どもの叫び声などで園内は騒々しく、オランウータンは壊れたようにぐるぐる回って吠え続け、近くの檻のヒョウが気の毒。この夏休みで、動物の寿命が縮まりそう。それでも根性で、夜行性の動物やは虫類、両生類のいる一番好きな建物だけはしっかり見た。ただ、ここでもあまりの人の多さに酸素が足りていないようで、さらに蒸し暑くて、頭がぼおっとする。疲れたけれど満足。ただ翌日から寝込むこととなり、きっとここで風邪を拾ったのだと思う。寒い時期の平日にでも、ゆっくり遊びに来たい。