『わたしが・棄てた・女』

『わたしが・棄てた・女』(遠藤周作 講談社文庫)を読み終えた。以前、『天使の肌』というヴァンサン・ペレーズの映画を見たときに、これは遠藤周作の『わたしが・棄てた・女』を映画化したものではないか、というようなことが書かれているのをネットで見かけて気になっていたことを何年ぶりかで思い出して。気になってから実際に読むまでに何年かかったんだろう。ギョーム・ドパルデューが素敵だった、そして小説のミツと違って美少女(素朴な田舎娘というのは共通しているのかしら)が出演していた映画は、もうあまり憶えていないのだけれど確かにこんな話だった。あれももう一度見てみたい。読みかけたら、別れた恋人から突然連絡があって、タイミングがタイミングなだけにその後冷静に読めなくなってしまった。重い、へこむ、泣く。でも、そういうのを抜きにしても、きっと泣ける作品。狐狸庵センセイといえば、昔々の子どもの頃、樹座の舞台挨拶を遠くから拝見しているはずなのに、全然憶えていないのが哀しい。
わたしが棄てた女 (講談社文庫)