『ローラ』

元旦の夜に、録画してあった『ローラ』LOLA(監督:ジャック・ドゥミ)を見た。新年最初は、きれいで楽しいものを見たい。劇場で見たのは20年近く前かしら。当時はまだ『ポムレー路地』を読んでいなかったのでパサージュ・ポムレーというものも知らなかった。妹とパリに行ったとき、あたしは仕事の都合で後から合流、妹2人は先に行ってパリ以外もまわってきたのだけれど、ナントにも行ったとのこと。「ナントなら、パサージュ・ポムレーなら、行きたかったわよー」と騒いでいたら、「観光客がいっぱいでたぶんお姉ちゃんが想像しているような場所ではなかった」といわれ、後から写真を見せてもらうと、カラフルな洋服を着た人らがあの階段を埋め尽くしていて、晴れた昼間なのかとても明るく、『ポムレー路地』のモノクロでひっそりとしたイメージしかなかった自分には、かなりげんなりだった。この映画を見てポムレーに行っても、同じようにショックかもしれない。夢のように美しく楽しい映画。あまりにきれいで胸が苦しい。何度も繰り返し見たくなりそう。