名古屋のお菓子

少し前に関東の方が名古屋へ来られる時に「おすすめの和菓子は?」と聞かれた。厳密にいうと名古屋ではないのかもしれないけれど、この辺のお土産になるようなもの、というと、虎屋のういろ、美濃忠の「雪花の舞」(自分では買わないけど、いただくとすごく嬉しい)、この季節は栗きんとん、などが人気かしらん。坂角や赤福も喜ばれるけれど、どこでも買えるような。

偶々ちらっと開いた中村汀女の『ふるさとの菓子』で最初に両口屋是清の「二人静」が紹介されているのを見かけ、あれが名古屋のお菓子だったことに気付いた。小さい頃よくいただいて、何も考えずに口に放り込んでいた。熱いお茶にちょこんと付いてくると、ほっとする。これの良さが分かったのは大人になってから。紅白の小さな玉がキャンディみたいに紙に包まれて、愛くるしい。

実家で聞いてみたら「鬼まんじゅう」と。そうだった、関東人はこれを知らないのだ。あたしも、これがこの辺りのおやつだと知ったのは15年前くらいか。サツマイモを粉と砂糖でつないで蒸した素朴なもので、作ったこともある。

それで、鬼まんじゅうを差し上げようかと思ったのだけれど、お菓子屋さんに行ったら閉まっていたので、近所のスーパーマーケットで「しるこサンド」を買って持って行ったら、気に入っていただけたみたいで良かった。「おにぎりせんべい」も関西や中部では当たり前のようにあるものの、確か関東にはあまり売っていなかったような気がする。でも、あれば美味しくいただくけど、積極的に買わないのだよなあ。

忘れていたけれど、豆福の豆菓子も良いかな。

こういうのを聞かれると、自分の住んでいる所についてよく知らないことを思い知らされる。もっとお勉強しておかなくては。