読んだ本

ツバメ号とアマゾン号』の「裏バージョンとでもいうべき小説」という宮脇孝雄の紹介を読んで、ヘンリー・ダーガーの表紙も素敵なペーパーバックを読む気満々だったのだけれど、翻訳の方が先に手に入ってしまったので。海や船に関する単語に疎いため、翻訳で読んで正解だった気がする。読み流してしまいそうなくらい何気なくさらっと、ぎょっとするようなことが書かれていて、穏やかでない。結末も素晴らしい。妹にも「たぶん気に入る」といってすすめた。なんとなく『蠅の王』を思い出させるが、『蠅の王』の方が25年も後に出た作品。ジェームズ・コバーンも出演している映画も見てみたい。読んだのは「文学のおくりもの」だけれど、画像は別のもの。同じ作家の『クモの宮殿』も家の中のどこかにあったはず。

氷室冴子は友だちが貸してくれたり図書館で借りたりして結構読んだのだけれど、これは未読だった(たぶん)。表題作を読んでいたら、山田詠美の『放課後の音符(キイノート)』を思い出した。『オリーブ』の連載で読み、本になったら買って何度も読んでいた。なんだか、そわそわ、ざわざわ落ち着かなくなる。他の作品も読み返したいな。あとがきで『少女アリス』のサマンサが「あなたにも、チェルシー、あげたい」の子だったと知った。
ジャマイカの烈風 (必読系!ヤングアダルト)   A High Wind in Jamaica (New York Review Books Classics)   さようならアルルカン (集英社文庫―コバルトシリーズ 52B)