読んだもの

最初は怪談だったのに、途中から猟奇な事件の話に。名古屋の事件もあり。若い娘が首無し死体で発見、両乳房と性器が切り取られて無くなっていた。後日発見された頭部は、さらに無惨な様子。その犯人は、東京で菓子職人をしていたものの関東大震災で西へ逃れてきて、名古屋で納屋橋饅頭(名古屋では有名なお菓子屋さん)に勤め……馴染みのある地名や固有名詞に興奮して眠れなくなる。 夏に行ったばかりの伊那でも「生肝殺人事件」なんて。

10月にお会いした女性の着物姿がとても素敵だったので、また「着物を着たい!」という気分が高まり、着付けの教科書や着物の本やを出してきて読んだり、押し入れから出した着物に帯や半襟を合わせてみたりしていたのに、色々なことに気をとられているうちに、秋に着るつもりだった着物を着そびれた。ああ。この本は、そんな頃にネットで見かけて読みたいなあと思っていたら、自分の本棚の奥の方にあった。いつ買ったのかすら憶えていない。すぐに読まなくても、気になったら何でも買っておくものね。桜の柄を春以外の季節に着ても良いではないか、というのを読んでいたのか、いないのか、昔、友人の結婚式に「宇野千代風」といって桜柄の振袖と帯で出席したのを思い出した。確か春ではなかった。そして既婚者でもあった。ふふふ。
戦前のこわい話 (河出文庫)   宇野千代きもの手帖―お洒落しゃれても