「ボヴァリー夫人」だけ。誰の訳で読むか悩む間もなく、古本で拾ってしまったので。面白くて夢中で読む。なんだか他人事とは思えなくて怖い。
- 『ウッドハウス短編集』(Pelham Grenville Wodehouse 田中春美・訳 富士書店)
以前児童書で読んだのは「ボクはわんころ(The Mixer)」の前半部分だけだったことが分った。
訳者注を読んでいると、昔は今に比べて特に固有名詞の訳などは苦労されたのだろうなあと思う。少し面白かったのは「チョコレート・エクレア」という項目があったこと。「味はシュークリームに似ているが、形が細長く、上にチョコレートがかけてある」とあり、まさにその通りなのだけれど、この本の出版された1966年の日本では、エクレアに説明が必要だったのかしら。その頃既に生まれていた人に聞いてみると、エクレアは売っていたけれど、説明は必要だったかもしれないとのこと。ふうん。でも、その後、大正の『婦人グラフ』で、エクレアの作り方が紹介されていたのを見かけた。『婦人グラフ』って、表紙が夢二でお値段も結構するというイメージがあり、これまで中を見たことが無かったのだけれど、お嬢さんの着物姿の写真が多くて、それも高畠華宵の描くような孔雀の羽根や薔薇の柄だったりして、意外と楽しい。話がそれた。かなり気に入ったので、次は『笑ガス』
- 『ティファニーで朝食を』Breakfast at Tiffany's(カポーティ Truman Capote 瀧口直太郎・訳 新潮文庫)
恥ずかしながら、読んでもおらず、映画も見ていなかった。映画も見なきゃ。
- 『幻の女』Phantom Lady(ウィリアム・アイリッシュ William Irish 稲葉明雄・訳 ハヤカワ文庫)
ミステリ初心者のうちに読んだ方が楽しめる、と、宮脇孝雄が紹介していたので。面白いし、文章が心地良い。意識したつもりはないけれど、ニューヨークが舞台の作品を2冊続けて読んでいた。