読んだ本

『キャロル』が読みたい! と言っていたら(映画も見に行けていない)、他に読んでいないものが沢山あるくせにと言われ(リプリーすら読んでいない)、なぜか貸してくれたので。流行っているものや話題のものにも触れたいんだよう!! でも読み始めたら止められなかった。「ホウセンカ作戦……」は、今の日本人には生々し過ぎるような。大量発生した大きなゴキブリと闘う話は単純に楽しい。『ふくろうの叫び』しか読んでいなかったけれど、何冊か溜め込んであるはずの彼女の作品をどんどん読みたい。

ペーパーバックを見つけたので、ポケミスの『アクロイド殺し』(松本恵子・訳)と並べて読み始めたら、マングースが「ねこいたち族」だし、アルゼンチンも「南アメリカ」だし「原文の方が読みやすい気すらする」と罰当たりな事を言って、そんな古い訳で読むのが悪いと言われた。その後見つけた上記の文庫を手に取ったら、英語で読むつもりが、つい最後まで翻訳で読んでしまった。すごく読みやすい英文だと思ったけれど、同じ作品を読み返す気にはならないから、そのうち機会があればクリスティの別の作品を原書で読もうかと思う。食べ物などの描写や会話などは面白いのだけれど、謎解きみたいなのはどうでもいいというのか、犯人が誰でも構わないというのか、わりと本気でそう思う。

  • 『クレーン』DER KRAN(ライナー・チムニク Reiner Zimnik 矢川澄子・訳 福音館)

好き


そういえば、以前書いた『What I Saw and How I Lied』は、妹に貸し出し中。タイトルが全て語っていることに後で気付くのだけれど、内容を知らない方が楽しめる作品だし、「主人公は強く成長する良く出来たYA小説」などと、なんだか適当に書いてしまっていた。「主人公の行動が、単純な共感を呼べるものでもない」というよりも、これを読んだ何割の人が主人公の行動に共感するのか疑問だし、後々まで引っかかる作品で、これがYAで賞も取っていることが、すごく興味深かった。今でもまだ少し引きずっている。これを読んだ若い人がどんな感想を書いているのか、気になりつつ、なんだか怖くて読めない。