『15時17分、パリ行き』

15時17分、パリ行き』The 15:17 to Paris(クリント・イーストウッド  Clint Eastwood)
数字が入るとタイトルが憶えられない。『ハドソン川の奇跡』も変な映画だったけれど、これも、もっと変な映画だった。何がどう変なのかうまく説明できないものの、強烈だった。見た後でじわじわ興奮させる。『真夜中のサバナ』の変さもすごかったけれど、それを思い出した。あの映画、もう一度見たい。
事件の本人に本人役を演じさせると知った時はどうなるのかと不安だったものの、言われなければそんなことに気付かないくらいに、なんだか違和感が無かった。これまでも『ジャージー・ボーイズ』のように複数の若者が主人公の映画に、俳優の名前が前面に出てくるような俳優を使わなかったからかしら。
母子家庭の主人公の家が、日本では共稼ぎでも住むのが難しそうな家だったことに驚いた。最後のオランドとの場面は、実際のニュースの映像? どうなっているんだろう。
この作品について考えていて、なぜかぼんやり浮かんだのが、3Dの使い方にびっくりしたゴダールの『さらば、愛の言葉よ』。クリントにはこれからも映画を沢山撮って欲しい。