「麗子、七変化!」

刈谷市美術館に「画家 岸田劉生の軌跡−油彩画、装丁画、水彩画などを中心に−」展を見に行った。以前から「麗子像ばかりずらりと一堂に集められた展覧会をやってくれないかしら」といっていたので「麗子、七変化。」なんて書かれたポスターを見てわくわく。一度本物を拝みたいと思っていた、山の間にでいだらぼっちのような巨大な麗子が笑っている絵は、たぶん「寒山風麗子像」。震えがくるくらい、すごい。他のものもそうだけれど、浮世絵みたいに、肩などに対して手がちんまりとしていて可愛らしい。こんなにしっかりと麗子を見たことはなくて、よくよく見ると麗子だけは飾りの赤い枠が描かれていたり、「麗子」の文字が大胆にデザインされた着物をお召しになった麗子があったり、かなり面白い。岸田劉生については、38才という若さで亡くなったことなど、いろいろ知ることができた。昔はたぶんあまり好きでなかった、こってりした彼の油彩画も、今見ると意外と心地よく、装丁は洒落ていて楽しい。かなり満喫。一つ一つの作品の解説がしっかりしていて、名古屋と劉生との関わりなども紹介されていたり、きちんと作られた展示だった。たぶん中原淳一展をこの美術館で見たことがある。来年の内藤ルネ展も楽しみ。