『奇想科学の冒険』

『奇想科学の冒険 近代日本を騒がせた夢想家たち』(長山靖生 平凡社新書)を読み終えた。帯にあった「村井弦斎」に反応して。この著者は、NHK教育知るを楽しむ」の「明治サイエンス事件帳」の人。大真面目で真剣な「過剰な人たち」というのは愛おしい。「弦斎は男女の平等を説いていた」というのはちょっと意外。それに続く「『男は女と同じく貞淑に家を守り、女は男と同じく世のために働く』ことを理想としていた。」というのはその通りだけれど、『食道楽』を読む限りでは、これが書かれた時代を考えたらこんなものなのだろう、これでも結構進んでいた方なのだろうと思いつつ、女性が読むとかちんときそうな部分があったりもしたので。あたしはそれよりも、田舎者の描かれ方が無教養で無作法でがさつというところにイライラさせられたが。弦斎の『日の出島』や『芙蓉峠』が読みたい。
奇想科学の冒険―近代日本を騒がせた夢想家たち (平凡社新書)