『カニバリストの告白』

カニバリストの告白』Confessions of a Flesh-Eater(デヴィッド・マドセン David Madsen 池田真紀子・訳 角川書店)を読み終えた。タイトルとカバーの写真を見た瞬間、『コックと泥棒、その妻と愛人』を見に行った日のことを思い出した。映画を見てぐったりして、確か暑い季節で、友達と「食欲ないねー」なんていいつつ、その後すぐにドミグラスソースのハンバーグを食べたのだ。「あんな映画を見た後なのに」と笑いながら。人喰いと、見ようによってはグロテスクに感じられる煮込まれた肉料理の組み合わせ、という、それだけなのだけれど。そういえば、グリーナウェイもマドセンもイギリス人か。
あらかじめ人喰いの話だと知っていても十分楽しめるとはいえ、邦題で「カニバリスト」としてしまって良かったのかどうかはちょっと疑問。帯に「美食の追求の果てにたどりついた究極のレシピとは……?」とか「人間最大のタブー」とか書かれていても、それって人喰いのことでしょう? って、タイトルだけで分かってしまうもの。「カニバリスト」というだけで、わくわくして買ってしまった人間もここにいることを考えると正しいのか。
これって、映画化されるの? されたの?
カニバリストの告白