見た映画

  • 裸足の季節』Mustang(デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン Deniz Gamze Ergüven)

ストーリーをちらっと聞いた時は、『五人少女天国行』?って思った。あの作品も良かったけれど、これはすごい。美しくてキラキラしていて。5人ともきちんとキャラクターができていて、それぞれがまるで自分の事のように感じられる。末っ子のラーレには、こんなふうにありたかった、という憧れの方が強いけれど。ヤシン、かっこいい。Burak Yigit、憶えておきたい。これを見たすぐ後で、トルコのクーデター未遂のニュースなどを見て、落ち着かない。
 邦題と広告の画像が全く違うので、海外のサイトで見かけていたものと同一の映画だと、最初は気付かなかった。「酷い」とは言わないけれど、なんだか良く分からない邦題よりも「Mustang」で、画像も元の方が作品に合っていたと思う。
前にも書いた『La Dame dans l'Auto avec des lunettes et un fusil』は、邦題『アナザー』も酷ければ、パッケージのデザインにもびっくり。オリジナルは結構スタイリッシュなのに、なぜこうなるの? 日本で公開されないかと楽しみにしていても、タイトルを見ただけでは、それが見たかった映画だと気付けない。タイトルだけじゃなくポスター等を見ても気付けないとかになると、もう何が何だか。

  • 『ラスト・タンゴ』Un tango más、Our Last Tango(ヘルマン・クラル German Kral)

「見に行く」と言うと「イン・パリじゃないの?」と聞かれた。面白かった。ちょうどBenjamin Biolayの「Palermo Hollywood」を毎日のように聴いているし、アルゼンチンへの興味が膨らみかけている。

原作は未読。若返ったクローネンバーグが作ったような印象。ここ最近のクローネンバーグの作品を見ていないけれど、俳優とか、雰囲気とか、なんとなくクローネンバーグっぽい。『クラッシュ』の記憶があるから、というわけでもなく。あれは原作は良いのに映画はのれなかった。これも原作を読もう。それにしてもトム・ヒドルストンって全然興味が持てない。

公開時に劇場で見たきりで、久しぶりに英語字幕付きのDVDで。だから細部とかよく分かっていないのだけれど、男らはひどいな。こんな人たちに囲まれてきたら、主人公は強くならざるを得ないよね。エマニュエル・ドゥヴォスは声が可愛らしい、と最近気付いた。彼女は他の監督の映画だと「ブス」と陰で言われるような役だったりもするけれど、この作品でも『そして僕は恋をする』の時も、本当に女王のようで堂々として、すごくチャーミング。マチューのダンスの場面は本人が踊っているの? 『クリスマス・ストーリー』のばたんと倒れるシーンといい、すごい。病院に強制的に入れられても、自由で楽しそう。何度でも見よう。