『天才シェフ危機一髪』

『天才シェフ危機一髪 世界一流レストランの舞台裏で起きた40の本当のお話』Don't Try This at Home(キンバリー・ウィザースプーン Kimberly Wiherspoon /アンドリュー・フリードマン Andrew Friedman・編 実川元子/松野泰子・訳 日経BP社)を読み終えた。アンソニー・ボーデインの文章が含まれているので買ったのだけれど、やはり彼の文章が飛び抜けて面白い。彼は作家でもあるから、くらべるものではないのかもしれないが。40人分となると、当事者にはものすごい危機だったとしても、読む側にはそんなに興奮するものでなかったりする話が結構多くて、全話読むのが少し辛い。ファーガス・ヘンダーソンのクリスタルの話は可笑しかった。サラ・モウルトンの、マッシュポテトをフードプロセッサーで作ろうとした話、同じ失敗をアマンダ・ヘッサーも彼女の本で書いていて、本当にそんなふうになってしまうのか気になるところだけれど、自分のキッチンで試してみる勇気はない。誰かの料理の本で、ポテトのピューレ作りにフードプロセッサーを使っていた気もするのに。
天才シェフ危機一髪