『コーヒーと恋愛(可否道)』

『コーヒーと恋愛(可否道)』(獅子文六 角川文庫)を読み終えた。つい少し前にこの本を知り、サニーデイ・サービスの曲にこんな元ネタがあったのかなんて今頃感心していたら、「コーヒー好きのマストアイテム」らしいと教えてもらう。軽やかで洒落ていて、コーヒーをあまり飲まない人間にとっても、とても楽しい小説。ごきげん。モエ子さん、素敵。赤祖父ユリのカバーも良い感じ。「愛する男に裏切られた寂しい気持」のときなんかには、「スマトラのマンデリン」が良いらしい。心を落ちつけて丁寧にいれたコーヒーは「胸の悩みを洗い、人間や人生の本来の姿を考えさせ、新しい和敬静寂の心境に導いてくれ」るのだそう。憶えておこう。
これまでコーヒーはあまり飲まないできて、今年の春にアトリエモリヒコのコーヒーをパッケージのかわいさにやられてつい買ってしまい、「ばかっぽい」と呆れられつつ、それのためにHARIOのドリッパーなどを揃えて、いれ始めたばかり。人を虜にするほどとはいわないから美味しいコーヒーがいれられるようになりたいものだ、と思いつつ、コーヒーって、まだ味の違いがわからない。どれも「コーヒーの味」というのか。可否道にはまだまだ。