『青衣の怪人』

『青衣の怪人』(西条八十 偕成社)を読んだ。ずっと気になっていた本をお借りした。表紙からして、ベージュのトレンチコートを着た緑色の顔と手を持った人。手は人の手というよりカエルの手で、青いのは衣じゃなくて怪人のほうではないか、それよりも、だいたいこれは人なのか? と、つっこんで下さいといわんばかり。すごい。この表紙を見たら、読まずにはいられない。悪者の手によって主人公の少女が病院に入れられてしまうあたりは、クリントの『チェンジリング』のよう。昔はどこの国でもよくあったことなのかしらん。表紙の衝撃を裏切らない、興奮の連続。西条八十のファンになる。