『11/22/63』

『11/22/63』(Stephen King HODDER)
タイトルは何と読むのか、今でもわからない。やっと読み終えた。 古本で見かけて、キングなら英語でも読みやすいのでは、と。結局、3ヵ月くらいかかったのではないかしら。英語で読むスピードの遅さと知らない単語の多い自分に少しうんざりしつつ、「翻訳の文庫が出る前に」という、なんだかせこい目標には間に合ったみたい。 ケネディ家については、Benjamin Biolayに「Rose Kennedy」という曲とアルバムがあったなあ、くらいの関心しかなく、オリバー・ストーンの「JFK」すら見ていなくて、読む前にケネディ暗殺について、Wikipediaで簡単に復習した。それくらいこの件に関しては素人なのだけれど、オズワルド単独犯説をとったのは、そうしておかないと、主人公一人ではどうにも出来ないからじゃないか、なんて思ってしまう。

変えられる事を拒む過去という大きくて実体のないものに、主人公が襲われるのは面白かった。長くて、途中「ケネディとかオズワルドとか、どうでもいいし」と、少し飽きてきたものの、ロマンチックな結末は良い。

読み始めた頃はアメリカンなダイナーに行きたくて仕方なくなって、学生の頃にターキーサンドを食べていた店はとうの昔に無くなってしまったし、初めての店に入ってみたら、値段の割にハンバーガーが美味しくなくて、その店には二度と行かないと決めた。 キングは『クリスティーン』も、主人公の食べているものが美味しそうだった記憶がある。高級なものじゃなくて日常の食べ物が魅力的に描かれていて、昔アメリカの小説か何かで気になって飲んでみたルートビアがものすごく不味かった憶えがあるのに、そのルートビアすら飲みたくなったくらい。

「デッド・ゾーン」(映画しか見ていない)の最後をふくらませた感じ? ケネディ暗殺を防ぐことにロマンを感じるなんてアメリカ人でもキングの世代までじゃないの? などと、読む前はあまりそそらなかったものの、読み始めたら楽しい。キングの作品って、本や映画、TV番組、音楽等の固有名詞も多いし、細部の描写を楽しむもののように思う。
11.22.63