『わたしの修業時代』

『わたしの修業時代』(コレット 工藤庸子・訳 ちくま文庫)を読み終えた。コレットの文章は、ときどき、どきっとさせられる。彼女が演じたという、ピエール・ルイスの『日没の対話』(1903年出版の短編集『血の女たち』からの抜粋)って、読むことはできるのかしら。どんな作品かしら。そのとき招待されていたピエール・ルイスに後で感想を訊いたというところ、ちょっと笑った。

長い人生の十年くらいは、こせこせと勘定しないほうがよい―わたしは気前よく、さらに三年おまけしてしまった―問題の十年を、青春時代から天引きして考えればすむことだ。そのあとは、むしろ締まり屋になることが望ましい。

あたしも、そろそろ今の修業(ということが可能ならば)を終えて、新たな修業に入るときのような気がする。
わたしの修業時代 (ちくま文庫)