読んだ本

夏に買って楽しくてものすごい勢いで読んでしまったので、また少しずつ読み返したい。ここ何年かは全然映画を見ていないから、見たいものもいっぱい。

  • 『死を忘れるな 新しい世界の文学』Memento Mori(ミュリエル・スパーク Muriel Spark 永川玲二・訳 白水社

ずっと読みたかったものを、やっと。楽しい! 好み!! 他の作品も読みたい。自分の作り出した登場人物に対する愛情があるのか無いのか。死は平等なのか。イーヴリン・ウォーに似たものを感じる。買ったままの『スクープ』を読まなくては。後ろの解説を読んだら、グリーンも読みたくなった。

ルイス・ウェイン(Louis Wain)の発病した後の作品というカラフルで禍々しく美しい絵に魅せられて以来、いつか展示を見に病院にも行けたらなあと思っていた。病院に入る前の、仕事で描かれた絵の猫も、なんというか頭のおかしい目をしていたり、にったり笑った口といい、正気とは思えぬ顔をしている子も多いし、この本に書かれている入院前の言動を読む限りでは、もし現代に診察されていたら診断結果は違っていたのではという気もする。「ルイス・ウェイン基金」の話が素敵。新書のため絵が小さいのがとても残念だけれど、何度眺めても楽しく、入門書として素晴らしい。彼の描いた猫を眺めていると胸がつんとする。そのうち洋書にも手を出したい。一緒に行った本屋で見せて「貸すよ」といったのに、妹も買っていた。

ヤング・アダルトU.S.A. (ポップカルチャーが描く「アメリカの思春期」)   吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝 (集英社新書)