『一握の塵』

『一握の塵』A HANDFUL OF DUST(イーヴリン・ウォー Evelyn Waugh 奥山康治・監訳 彩流社)を読み終えた。昔、ルパート・グレイヴスが好きだったので映画になった『ハンドフル・オブ・ダスト』を見て、あまりに強烈な話にずっと気になっていた本。この本の著者の写真を見て、イーヴリン・ウォーが男性だったと初めて知った。名まえから勝手に女性だと思っていた。そして、こんな意地の悪いお話を書くのは女性だろうと、なんとなく。他の作品も全く読んだことがなかったので。うう。たまたま読みかけていた『The Growing Pains of Adrian Mole』で「I'm reading Scoop by a woman called Evelyn Waugh.」というところがあり、ここにも女性だと思っていたヤツが居た、と少し嬉しくなったものの、エイドリアン・モールと一緒じゃなあ。『Scoop』は翻訳されていないのね。そして、さらに恐ろしいことに読み終えるまで『一握の砂』だと思い込んでいた。ううう。読み始めたら夢中。他の作品も読みたい。アメリカ版の結末を読んだら、自分が日本人で良かったと思った。映画を先に見てしまったせいか、つい主人公にはジェームズ・ウィルビーを、ビーヴァにルパート・グレイヴスを当てて読んでしまう。他はすっかり忘れてしまったけれど、この二人についてはかなり良い配役だと思う。機会があれば、映画の方ももう一度見たいかしら。
一握の塵