読んだ本

翻訳されるのを楽しみにしていたわりに、読むのが遅くなった。楽しい。短編集をもらったので、次はそれを読みたい。

豹がやって来る、「ある訪問」が特に好き。

子どもの頃に読んですごく面白かった記憶だけあって、初めてロンドンに行った時に本屋で見つけたペーパーバックを懐かしくて買ったのに、何度か試しては挫折していた。翻訳を見かけたので何十年振り?に読んでみた。この作家の描く子どもたちって、リアリティがあるというよりも、時々ぎょっとさせられる。時々居心地が悪いような気さえするけれど、その引っかかるところが面白いのかなあ。自分が透明人間みたいに見えなくなってしまって困っている女の子を前に、「自分たちに出来る事無いし」「お茶が欲しい」と帰りたがったり、正直者なのか、子どもってそういうものなのか、笑える。ネズビットの文体について書かれた章があったはず、と『マイ・ディア 親愛なる物語』(氷室冴子 角川文庫)も引っ張り出してみる。読み返してみると、氷室冴子の書いていることと、あたしのネズビットの文章から受けた印象はちょっと違っていて、面白い。著者が読者に語りかけてくるのは、あたしはちょっと苦手で、イギリスのお城に飛んでいた意識が、一瞬で日本の現代の自分の部屋に連れ戻されるような感じ。慣れると楽しめるようになるのかしら。ペーパーバックも手に取ってみたら、文章が結構難しい気がした。これは挫折するよなあ。学生の頃に英語でなかなか読まなかったのって、あの頃選んだ本がまずかったのもあるように思う。

スクープ (エクス・リブリス・クラシックス)