見た映画

暑くて外に出られない。映画も見に行けてない。書き溜めていたメモなどを、まとめていく。随分前に見たものもある。

以下、全てNetflixにて。

 

舞台や主人公の設定から『アメリカン・サイコ』と脳内で混ざったのか、しばらくの間、主人公が人を殺すのではないかとハラハラしていた。

2011年の映画で、その頃ならスマートフォンもあるし、日本でもその何年も前から職場でのネットの私用が問題になったり閲覧履歴が会社にばれたりする事なんて知られていたのに、ガラス張りのオフィスで、この主人公は本当に仕事ができる人なのか? と思ってしまいそうだったけれど、依存症ってそんな事くらい分かってていてもどうにもならないものなのかもしれない。すごーく昔、上司とパソコンが共用だった頃、職場にネットが導入されたばかりで、ブラウザの履歴にエロサイトっぽいものがずらっと並んでいたのを思い出した。許可されていたから、あたしも思いきり私用で使っていたけれど。上司の愛人らしき人からのFAX(!)も見かけたし、色々ゆるかった。そういえば、別の職場でも、経営者に領収書を整理してと渡された紙くずの詰まった箱からは、妻とは違う顔の女性との旅行の写真が何枚も出てきたし、証拠となるものを残してしまう脇の甘さが怖い。ああいうの、ばれても妻は別れないだろうと踏んでいたからなのかしら。この主人公も、妹の事が無ければ上司からなじられる事もなかっただろうし、平気だろうということなのか、結果さえ出していれば、そういうの大目に見られたりするの?

主人公の兄妹が見ていられないくらい、痛ましい。ボーデイン以来、考えるのも辛くて、自殺に関するものには近付かないようにしていたのに。妹はお兄ちゃんに甘えられるけれど、お兄ちゃんは誰に甘えれば良いのよ? って、あたしが長女で一人目の子だったからか、つい思ってしまう。思えば、物語でも姉や兄に肩入れしがちだし、兄弟や姉妹の俳優に対してもそう。エルよりダコタ。

 

キングスマン』もコリン・ファースを眺める以外は、なんだか引っかかるところがあって、あまり楽しめなかったので、これもあたしには合わない気がしていた。好きじゃないだろう、ダメだろうというのを確認するために映画を見たりするのは、やめたいという気もしている。この監督の、音楽を流した闘うシーン、野暮ったいしあまり面白いと思えなくてしらけてくる。『ジョン・ウィック』は楽しかったのに、何か違う。父親の期待するであろう発言・行動をしてしまう娘が不憫で、見ていて辛い。

 

中年の男性ばかり、時々女性、若い人は少ないし、子供はいないな、って思っていたら、途中で理由が。2000年の映画みたいだけれど、今見ると、なんというか身近な現実がこの映画に近付いたようで、あまり無邪気に笑えないかもしれない。色も抑えられた余計な物の無い広い空間に、違う文化なんだなあと感じる。

 

『Sala Samobójców』(英 Suicide Room)の監督の作品。突然のピエール・エ・ジルみたいなキラキラ! よく知らなくて驚いたのだけれど、大規模な爆発の後は、あんなふうに血や肉片が降って来るものなの? 内容はひたすら辛い。あんまり好きな演出じゃないのだけれど、それでもこの監督の他の作品が見られるなら見るような気がする。

 

  • 『ダーク・プレイス』Dark Places(ジル・パケ=ブランネール Gilles Paquet-Brenner)

レディ・プレイヤー1』を見に行った日の夜中に見て、「あ、さっき見た人だ」って、なった。若い時の兄。ギリアン・フリンの原作が読みたい。

 

なぜ、この邦題? アダム・ドライバー目当て。他の俳優だったらすごく嫌な感じにもなり得た役も、彼だとなんだか憎めなくなってしまうのがすごい。年齢よりも、面白くて魅力的な人に出会うと、のめり込んでしまうこともあるよね。