『やっぱり美味しいものが好き』

『やっぱり美味しいものが好き』It Must've Been Something I Ate(ジェフリー・スタインガーテン 野中邦子・訳 文春文庫)を読み終えた。『すべてを食べつくした男』に続き、こちらもすごい。ピエール・エルメのレシピにもとづくショコラショーは、寒くなったらぜひ試したい。一日にショコラショー6杯を飲み比べとは絶句。この文章が書かれたのは2000年2月、あたしが前回パリに行ったのは2002年。これを読んでいたら参考にしたかしら。そのときは妹に連れられてChristian Constantに行ったのだ。そのときのショコラショーについての文章が見つかってしまったので、あまり過去に書いたものは読みたくないけれど、一応紹介。記憶がいいかげんなので、細部の正確さはかなり疑問。興味のある方はこちらへ。
あのときは短期間にチョコレートの摂取量が自分の限度を超えていたようで、ジャン=ポール・エヴァンのマカロンを買って食べたときに、フランボワーズのだったと思うのだけれど「これ、チョコレートが入っていなければ良いのに」などと暴言を吐いたのを憶えている。あたしね、大喰らいだと思われているようだけれど、胃も精神もそんなに強くないんじゃないかと思う。
彼がキャンディバーならミルキーウェイが大好きだというので、買って食べてみた。食べた記憶はあるのに味が思い出せないというのは、きっとあたしの好みじゃなかったのだろうと思っていたら、やはりあまり好む味ではなかった。ふんわりして甘すぎて辛い感じ。沢山入った袋しかなかったので、家族に分けても、まだあるよう。ココナッツのぎゅっと詰まったBOUNTYとか、キャラメルとクッキーの入ったTWIXの方が断然美味しいと思うのだけれど、日本であまり見かけないのは何故。
エスプレッソの章は、ネスプレッソマシンを使用している者にはちょっと衝撃的なことも。でも、大抵カフェ・ラテにしてしまう、もともとコーヒーの味がよく分からぬ身には何の問題もない。
ポテト・グラタン、チョコチップクッキーなど、試してみたいレシピが多め。ただ、ここに出てくる1カップって、200ccじゃないのではないかしら。解説にはオンス・ポンドをリットル・グラムに換算したとあるけれど、レシピにある数字のきりが良すぎるから。タルトに関する文章は、少し疑問な部分もあるものの、彼が紹介するレシピとタルトの本は気になる。すっかり中毒のようで、彼の文章をもっともっと読みたい。

やっぱり美味しいものが好き (文春文庫)