『楽しい昆虫料理』

『楽しい昆虫料理』(内山昭一 ビジネス社)を読んだ。奥本大三郎との対談が面白い。小さい頃に家でよく見かけて「ぴょんぴょんむし」と呼んでいた虫が「カマドウマ」だということがわかる。『漂流教室』にアレっぽいのが出てきて怖かった気がする。そうね、アレは食べたくないわね。料理の写真を見ていたら、子どもの頃に読んだ怖い漫画にこんなものが登場していなかったかしら、とふと思う。失礼ながら写真を見ても決しておいしそうだと感じるわけではなく、実は見ているだけで泣きたくなるくらい苦手なのだ、虫は。「なぜこんな本を買ったのよ?」って云われるのだけれど、それは恐いもの見たさというやつでしょう。でも二人の対談を読んでいたら、「おいしい」と楽しそうに食べたり語ったりしている様子が羨ましくなってきて、あたしも「んー、いける、いける。あら、あなた、いらないの?」なんて余裕で食べられる人間でありたかったなんて思う。レシピに添えられているコメントも良い。「若虫ちらし」というハチの子とバッタの赤ちゃんを使ったちらし寿司のレシピを読んでいたら、口の中に唾液がたまってきたのに気付き、そんな自分にぎょっとした。奥本センセイの云うように、バッタのハンバーグなら食べられるかも、いえ、まだいただく心の準備はできておりませぬ。
楽しい昆虫料理