読んだ本

光文社の古典新訳文庫『ご遺体』と、どちらで読むかほんの少し迷ったのだけれど、中を見比べずに『ご遺体』という題がいただけない気がするという理由から、こちらにしてしまった。と、話していたら、『ご遺体』の方が合っているのではないかと言われた。この笑ってしまう話に「tragedy」とする辺りが、この作家っぽいのかしら。翻訳されたものでも、まだ読んでいないものが何冊もあるのに、いつか原文で読んでみたいなあと思う。

Ripley's Believe It or Notは時間のある時にのぞきたい。Winchester Mystery House(音が出る)は行きたい!! 8月に行った岐阜県博物館の「奇なるものへの挑戦 明治大正/異端の科学」でも紹介されていた福来友吉も。2001年の本なので「あー、あの頃こんなものが話題になっていたなー」というものや、全然知らなかったもの、「オリバー君」のように聞いた事はあるけど実際のところよく知らなかったものなど色々。各章が短くてもっと詳しく知りたくなるが、今はそういう時にネットで簡単に辿り着けて素晴らしい。

  • 『ハートで感じる英文法』(大西泰斗、ポール・マクベイ NHK出版)

何年も前に「この先生面白い」と知人にすすめられて買ったままになっていたのを、読んだら面白かった。仕事で外国の方からの問い合わせに英語で返した時に、すごく神経と時間を使って、メールだから良かったけれど電話だったらパニックだったし、英語が使えるようになりたい、と、これまでで一番強く思っているような気がする。「会話編」もあるから読む。


ずいぶん前の話になるけれど、「CREA 9月号」が「食の本大特集」とあったので、かなり久しぶりに雑誌を買った。特集も少し物足りなくて、ぱらぱらと他のページも眺めていたら、中野翠の「セクハラ・ヤジ問題に見た違和感」に、ぎょっとした。「自民党のおやじ議員たちのヤジは明らかに野卑なセクハラだと批判したうえで、私はこんなふうにも思う。」に「塩村議員には、おやじたちのセクハラ欲を誘発する何かがあった。つけ込まれる隙はふんだんにあった。」と続き、他の人だったら、おやじも遠慮したのでは、「パーソナリティだって大事だよね」って。えー、この人、良く知らないのだけれど、痴漢やレイプの被害者にも、その人のパーソナリティによっては似たような事を言うのかしらん。この人がそのように思うのは勝手なのかもしれないし、実際に同じように思う人は多いのかもしれないなということは理解しているとはいえ、女性誌でこんな文章を読むとは思わなくて、驚いて、なんというかやりきれない気分になった。


『ヨーロッパ退屈日記』(伊丹十三 文藝春秋)をぱらぱらと眺めていた。ほとんど洋画しか見てこなかったところへ、高校生の頃に好きだった女の子が伊丹十三の映画を見ていたので感心して何本か見てみたものの、結局そんなに良いと思えなかったなあと、昔の事を思い出したりして。
「アイ・アム・ア・ボーイ」という章で、明治時代に英語教育を始めるという時、I am a boy を漢文のように返り点や送り仮名をつけて読ませようとする派もあったとか。返り点を打った文は表示し難いから省くけれど、それだけを見ると、かえってわかりやすそうというのか、漢文に馴染んでいた人には受け入れられやすかったのではないかと、どちらもあまり得意ではない素人にはなんだか愉快だった。


愛されたもの (岩波文庫)   荒俣宏の20世紀世界ミステリー遺産   NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法 (語学シリーズ)