『SF奇書天外』と奇書

『SF奇書天外』(北原尚彦 東京創元社)を読んだ。ぱらぱらっと眺めたら、以前読んだ『遊星人現わる 空飛ぶ円盤』(黒沼健 小学館)が載っていたので。正に「ハチの恩返し」の話で、最後、主人公のハチへの仕打ちに笑った。『発酵人間』とか『骨なし村』とか『皇帝円舞曲』とか、これまでタイトルを聞いたことくらいしかなかったものは、いつか読みたいなあ。マルコ・ヴァッシーは好きだけれど、ロマン文庫の『鏡の国のアリス』(モリー・フルート)は、つまらなかった記憶しかない。『葬儀のあとの寝室』を持っていたことを思い出す。函が斜めにカットされていて洒落ていたのでいつかの古書の即売会で買って(もしかすると買ってもらって)、まだ読んでいなかった。「エロ系」らしいので、そのうち読みたい。『海底王国の女囚』(南郷京助 路書房)は、拷問が単調で少し退屈してくるものの、奴隷が死ぬと奴隷のエサになったりするあたりは、好み(けれど、それは2話めの「地獄の人工美女」でも同じだ)。海底王国のヒトラーを援助する人が世界に5人というのは多いのか少ないのか。「地獄の人工美女」のストーリーを説明していたら「カイジみたいな感じ?」と云われ、そういえばペリカを支給されていた頃のカイジにちょっと近い世界かしらん。(昔の恋人と別れたおかげで、カイジの続きがどうなったのかわからない。)給料が何ドルかで、そこから生活費があれこれ引かれていく数字の描写が細かいのは、なんだか可笑しかった。
SF奇書天外 (KEY LIBRARY)