クスクスを作った

雨の中を歩いていて、塀にカタツムリがゆるゆる動いているのを見かけると、じっと見入ってしまうのだけれど、1軒の塀に11匹もいるのを見かけたら、さすがに少し怖くなった。ナメクジの『スラッグス』を思い出して。小説は面白かったものの、あれは映画の方はあまり見たくないような気がする。でも、カタツムリなら、グリーナウェイの『ZOO』を久し振りに見たい。

 

シェフが風邪なのか寝込んでいて、自分の食べる分は作ることに。クスクスの箱を買ったまま使っていなかったので、『お鍋でフランス料理』(パトリス・ジュリアン 文化出版局)から。あたししか食べないので、たまにしか作れないし、この本のものが気に入って、もう他のレシピを探す気があまり起こらない。でも、この季節、部屋が暑くなるし、煮込み料理なんてあまりするものではないのかもしれない。シェフは、匂いがきついと言って別の部屋へ逃げてしまった。一度作ると材料を控えめにしても大量にできてしまうけれど、あたし一人なら同じものが続いてもわりと平気で、何回分もの献立を考えなくていいから、仕事のある日は特に、煮込み料理って好き。ル・クルーゼのココットが勝手に美味しくしてくれるしね。この重たい鍋を持ち上げられるくらいの力は維持したい。

 

お鍋でフランス料理―ビストロの味、田舎の味

お鍋でフランス料理―ビストロの味、田舎の味

 

『IT』

『IT』IT(スティーヴン・キング Stephen King 小尾芙佐・訳 文春文庫)
4冊、長い、長かった。昔の映画の方は何かで見て、大きな化け物が出てくるまでは怖かったような記憶がある。本も読んだかもしれないと思っていたけれど、開いてみると読んでいなかったことが分かった。主要の7人分のエピソードと、すぐに死んでしまう人やその家族の事まで詳しく書かれているので、それぞれが結構面白くても、読み進めているうちに、するするとその前に読んだ分の記憶が薄れていく。
最後の方のべヴァリーと他6人の行動については、7人中唯一の女の子の役割がこれなのか? と、酒も飲んでいないのに酔いが醒めた。べヴァリーは性的虐待を受けていたし、特殊な状況下なのでこのような行動をとることもあるかも、と、この作品中におけるこの行為自体はなんとか受け入れられるのだけれど、それまで子供の心理描写も良かったのに、この部分のべヴァリーの描写は中年の男性が書いているのが透けて見えるようで、これまで読んできた分がすべて崩れて消えてしまいそうなくらい、急にささーっと引いてしまった。
戦いの終わった後はわりと好き。
新しい方の映画は、マカヴォイが出るのなら見ようかしら。
『パターソン』で知った、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズが何度か引用されている話をしたら、「あなたは知らないかもしれないけれど、知る人ぞ知る詩人じゃなくて、日本でも翻訳が出ているし、普通に有名な詩人だから」と言われた。う、ごめん。
ピーター・ストラウブの『ゴースト・ストーリー』の方が良いと聞いたので、それも機会があれば読みたい。

IT〈4〉 (文春文庫)

IT〈4〉 (文春文庫)

 

 

『Night of the Lepus』と『スクワーム』

ガイ・ピアースケヴィン・スペイシーについて語る記事を見かけたものの、読み進める前に、ケヴィン・スペイシーって『L.A.コンフィデンシャル』に出ていたっけ? という所でつまづいてしまった。キム・ベイシンガージェームズ・クロムウェルも憶えているのに。ポスターにもスペイシーがいるし、データベースで一番上に名前があるけれど、重要な役なの? ネットで画像を見ても、思い出せない。自分にとって重要で無い事は(ある事でも)どんどん忘れていくけれど、怖いな、あたしが。この映画は好きだったのに。

 

最近、少し気になるのが『Night of the Lepus』という映画。巨大化したウサギが人を襲うらしい。動物や虫が人を襲う映画は、わくわくするものの、巨大化したものはそれほど興味が無くて、小さいものが大量にうごめく方が生理的な嫌悪感や恐怖が強まるのか興奮するのだけれど、このウサギは大きくなりすぎてないし群れているので良い感じ。もこもこ駆けている様子は、ウサギだからか和むし、ウサギの動く口元を下からアップで映すのは上手いと思う。
Trailerは、ウサギがほとんど映っていないので、ウサギが沢山走っているものを貼っておく。


Night of the Lepus Bunnies Everywhere

 


それと、『スクワーム』のパンフレットを入手して少しごきげんだった。ゴカイ? ミミズ? 大量の長いものが人を襲う映画。子どもの頃に知人の家でパンフレットを見せてもらって気になり、そのずっと後になってからTVで見た。古本屋の均一で見かけて、本も持っている。たぶん読まないだろうな。このパンフレットに、撮影中に逃げ出した長い奴らが近くの住人を襲ったと書かれていたのが、ずっと忘れられずにいたのだけれど、手に入れて読んだら、もっとすごかった。「実際の撮影に使われた“スクワーム”何と8000万匹。この訓練と調教に10カ月もの日数を費やした後、撮影が開始された。」「76年のカンヌ映画祭で上映されるや、大反響をまきおこし、アメリカはもとより、世界各国で大ヒット。」、正しいことが一つでも書かれてる?? 映画の宣伝がでたらめだったというのは見聞きするけれど、パンフレットの解説も?


実際の建物には行ってみたいと思っていたけれど、映画の『ウィンチェスターハウス』は、見ててきた人に聞くと、二笑亭などにときめくような建物好きが期待して行くと物足りないらしい。

The Killing Moon

6月が終わったなんて信じたくなくて、泣きわめいたり、じたばた駄々をこねたら、どうにかならないかしら。風邪はほぼ治ったものの、今週は仕事が忙しくて疲れ過ぎていたのか、昨日は夕方に鏡を見たら、服の前と後ろを逆に着ていた。裏返しじゃなくて。ボートネックで違和感が少なめだったけれど、前の方に飾りが付いていて、たぶん誰が見ても逆だった。


『13の理由』を見てサントラを聴いて「The Killing Moon」という曲が気に入った。気が緩むとずっと歌っている。「エコバニはあまり好きじゃない」と言われたけれど、そのバンドを知らなかった。このRoman Remainsのカヴァーの方も好き。


Roman Remains - Killing Moon (13 Reasons Why Soundtrack)

風邪をひいた

風邪をひいた。頭が痛い。

 

アンソニー・ボーデインの死を受け入れられない。なぜかオバマの「RIP」というtweetが目に入って、え、生きている人の事を何言っているんだろう、ってぎょっとして、それからニュースを目にして。でも、何日か前に、アーシアやクリストファー・ドイルと楽しそうにしていたのに。自分がなぜこんなにダメージを受けているのかも、よく分からない。

『君の名前で僕を呼んで』

君の名前で僕を呼んで』Call Me by Your Name(ルカ・グァダニーノ Luca Guadagnino)
劇場で。見る前は、主演の二人にあまり興味が持てないなんて思っていたけれど、ピアノを弾くシャラメの指!! エリオを眺めていたら途中から冷静でいられなくなってきて、辛かった。
男の子の、本だけ手に持ってささっと出掛けられる身軽さが羨ましい。あたしの場合、服のポケットにはほぼ何も入らないし、日焼け止めに化粧品にカーディガンとか、あと必要かどうか分からないものまで色々バッグに入れて、着て行く服にも悩んで泣きそうになるんだ。
ゆれる人魚』でJakubが自分の身体に血が付いた時にSilverに見せる表情を、「あんなの見せられたら、死にたくなるよね」と、妹と話していたけれど、この映画のエステル・ガレルに対して手を広げて肩をすくめるシャラメも、こんなのを見たら、消えて無くなりたくなりそう。
よく分からないけれど、Jakub Gierszałやマチュー・アマルリックとか、裸の姿を見慣れてしまったからか、この映画は俳優の肌の露出が多くはない気がする。別に裸を見せないといけないとは思わない。主演がアメリカの俳優だからなのか、監督の意向か。『眺めのいい部屋』で俳優を素っ裸で走らせるアイヴォリーが監督もしていたら、結構違っていたような気がする。そういえば、『モーリス』は随分長い間見ていないから、見に行きたい。
最後は反則じゃない? ずっとあのエリオを見せられていたら、終わってすぐに劇場を明るくされても困るし、すぐに立てない。一人で見てくれと言われたから一人で見たけれど、迎えに来てくれても、「ああ、今話しかけないで、しばらく一人にして」という気分だし。食欲も無い感じがしたけれど、それから入った中華屋さんは美味しかった。きれいな映画だったものの、精神的にダメージが大きくて、当分見たくない。過剰に人の感情をかき乱すのは少し苦手かも。原作は読んでみたいかな。

 

「ł」とか、アクセント記号みたいなものが付いたアルファベットが、ダイアリーでは表示ができるものの、内部で化けていて、検索が出来なかったけれど、こちらでは問題なく使えそう。もっと早く引っ越しておけば良かったかも。

ドクターマーチンと『愛の原罪』

www.fashionsnap.com

という記事を偶然見かけて、「今、若い人にジョイ・ディヴィジョンって人気なの? それともこれも中高年向け商売なの?」という話をしていた。ファッションも疎いし音楽も全然広くも詳しくもないし、趣味的な話をする若い知人がいないから、本気でよく分からない。そうしたら、ジョイ・ディヴィジョンニュー・オーダーはファンの層が違うのに、ジョイ・ディヴィジョンを聴いていた奴らはニュー・オーダーなんて聴かない、と言われた。ごめん、あたし「Love Will Tear Us Apart」しか知らない。あたしの中ではヴォーカルの顔がサム・ライリーになっていると言ったら「ひでえ」って言われたよ! ついでに言うと、ジャック・ケルアックの顔もサム・ライリーになってる。

 

今、『愛の原罪』ががGYAO!で見られるので、近々もう一度見たい。大好き。妹に「『ゆれる人魚』に出ていたJakub Gierszał(Jakub Gierszal)主演の映画だから見て!」とメールしたら、年末にあたしから見ろと言われてDVDで見たとのこと。『君の名前で僕を呼んで』の虫で、この映画を思い出した。こちらが、以前に見た記録。Jakubといえば、トライアスロンの映画『Najlepszy』もDVDが出ているようなので、見たい。