Benjamin Biolay

先週、とうとう夢で会えた!
パサージュのような、どこだか知らない場所で、何人かの集まりの中にバンジャマン・ビオレがいたので、ものすごく緊張しながら近付いて、フランス語と英語の混ざった、さらにたぶん間違ってもいる言葉で「あなたの作る曲は素晴らしいです。大好きです」というようなことを話しかけていた。

目が覚めて、もう思い残すことは無いのではないかとも思ったけれど、そういえば、まだ見ていない映画もあるし、彼のライヴだって行ったことないし、まだまだ、色々あった。『La Douleur』も来年『あなたはまだ帰ってこない』という邦題で日本でも公開されるそう。

英語もフランス語も、本が読めて映画が見られれば良いから、書くのも話すのも後回し気味なものの、何があるか分からないから少しは出来た方が良いのね。

 


LA DOULEUR Bande Annonce (2018)

読んだ本

  • 『天国の南』South of Heaven(ジム・トンプスン Jim Thompson 小林宏明・訳 文遊社)
    良かった。詩も書く若い放浪者。これまでに読んだ彼の作品に、こんなかわいらしい主人公がいただろうか。その場の空気の感じられるような描写。ラストも楽しい。たぶん彼の作品の何を読んでも好きなのではないかしら。この会社から何冊も出ている分を、どんどん読んでいきたい。

 

  • 君の名前で僕を呼んで』Call Me by Your Name(アンドレ・アシマン André Aciman 高岡香・訳 マグノリアブックス)
    エリオとマルツィアとの関係など、映画とはちょっと印象が違う。ローマでの詩人たちとの一夜の場面が好き。第四部の映画で描かれなかった部分も、現実的な生々しさが響くのだけれど、ローマの一夜も後日譚もカットしたことが映画にとっては良かったし、映画の最後で二人を会わせなかったのも、脚本すごいなって思った。映画の続編って、この小説からは考えられないのだけれど、全然別の話になっていくの?

 

一仕事終えたら疲れが取れなくて、ずっとぐだっとしていた。弱いな、身体。Jakub Gierszałの『Beyond Words』(Pomiędzy słowami)をやっと見た。美しくて重たい。好き。とりあえず、もう1回見たい。

 

天国の南

天国の南

 
君の名前で僕を呼んで (マグノリアブックス)

君の名前で僕を呼んで (マグノリアブックス)

 

 

And Then There Were None(そして誰もいなくなった)

『And Then There Were None』(Agatha Christie Washington Square Press)

クリスティはそのうち英語で読もうと思っていたので、古いペーパーバックを見かけて読み始めたら、BBCのドラマがGYAO!で見られたから、そちらも見た。このドラマはBSで放送された時に録画したのをもらったのだけれど、それがブルーレイで、プレイヤーが無いから見られなかった。再生できるはずのパソコンも壊れたし。そろそろプレイヤーくらい買うべきなのか。

ドラマが面白くて、結末を知る前に本も読んでしまおうと、第3回が配信される前に、だーっと一晩で読んだ。古い本だから「Indian Island」だったけれど、今はSoldier Islandなのね。「Enriched Classics Series」とあって、絵や写真も入った解説のページがあるのだけれど、本編の後でなく、本の真ん中にある。そして、映画の、残った2人が海岸にいる場面と、1人になった最後の場面の写真があって、驚いた。これはクラシックで多くの人がストーリーを知ってるだろうし、知っているうえで新たに作られるドラマなども楽しんでいるのだろうし、あたしだって昔ドラマか映画か何かで見たのか、誰もいなくなった後の事は知らなかったか忘れたかしていたものの、ざっくりとした話は知っていた。最後の1人がどうなるかも。でも、本編後半の前に結末の写真なんて。このシリーズのリストを見たら、他はほとんどミステリじゃなかったから、こんな構成なのか。昔ちらっと読みかけた「ミステリを原書で読もう」というような本に、クリスティが読めなければ、英語で読むこと自体を諦めたらとあったので、少し意地で読み始めたけれど、3人いなくなった辺りから夢中で読んでいた。

ドラマは雰囲気も衣装も素敵で、俳優が皆良かった。エイダン・ターナーの色気がすごい。全開ではない、にじみ出るような野蛮さというのか。他の出演作の画像を見ても特に感じるものが無いのだけれど、このロンバード役の彼と目が合ったら気絶しそう。結末も良い。

Subterranean Homesick Blues

ボブ・ディランの事ではないよ。
偶然見つけて、BBC Radio4の「Subterranean Homesick Blues」というドラマを聴いている。

www.bbc.co.uk


ビル・ナイが、ファンの(少なくともあたしの)彼に期待するようなキャラクター。リスニングは苦手で何を言っているのか良く分からない所もあるし、何かしながらなので、何度も聴いている。Episode 1の最初から歌っているし、楽しい。全部で 3時間半くらいあるようなので、今聴いている分がだいたい理解できるようになったら、その続きも聴くかも。ビル・ナイといえば Charles Parisという探偵のシリーズもちらっと聴いたことがある。彼の声が好き。

見た映画、ポーランドとドイツ

先週だったか、「ネットで話題になっている『シェラ・デ・コブレの幽霊』って何だっけ?」と訊くと、一緒にナイトスクープを見たじゃないかと言われ、ぽかんとしていたのだけれど、ぼんやりとそんなようなことがあったのを思い出した。見たいな。

 

以下、全てNetflixにて。

  • アメリカから来たモーリス』Morris from America(チャド・ハーティガン Chad Hartigan)

Jakub Gierszał(Jakub Gierszal)が大学生でDJ!! そんなに長い出演でもないのに、軽く怪我している。ショーン・ビーンが頻繁に死ぬように、Jakubも無傷ではいられないのか? 彼の美しさは、傷付けてみたいというサディスティックな欲望を制作者に呼び起こすの? 彼が目当てで見たけれど、わりと面白かった。父親と息子の会話が良い。

主人公のモリスは、アメリカからドイツのハイデルベルクに引っ越したら、周りは白人ばかりで、という話で、ドイツについてほとんど知らないから、現代も黒人は少ないのか、ベルリンだとそうでもなかったりするのか、よく分からない。『Sala Samobójców』(Suicide Room)を見た時に、ファッション関係の仕事をしている母親が「東欧向けの広告なのに、彼は黒人でしょ」ってスタッフの選んだモデルの写真にダメ出ししている場面があって(見直してないから、間違っているかも)、ポーランドの映画を何本か見て、歴史ものでなくても白人しか出てこないのが少し気になっていたのだけれど、実際に割合的に黒人の人が少ないのかな、と思ったのを思い出した。

子どもは、自分の子であっても別の人格を持った他人で、その事を尊重しないといけないのだろうな。この親子が新しい土地で楽しく暮らせることを祈りたい。

 

ホットドッグにマヨネーズとは。ポーランドでは、ポピュラーなのかしら。

犬の視点なのか何なのか、ものすごく下からだったり、上からぐるぐるしたり、カメラの動きが、少し気分を悪くさせる。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に行った時に途中で吐きに消えた妹と一緒に見に行っていたら、彼女はまた吐いていたかも。

Mateusz Kościukiewicz(Mateusz Kosciukiewicz)が出演しているから。犬を連れてくる元ボーイフレンドの役。なんと読むのか分からなかった名まえも、マテウシュ・コシチュキェヴィチと表記されているのを知った。Andrzej Chyraは、アンジェイ・ヒラ。

不穏な感じで、ずっとそわそわ落ち着かなくさせて、どーん! なんとなく想像してた。それぞれのキャラクターの話の繋ぎ方に、少しイラっとする。

 

  • ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリー』Elles(マウゴシュカ・シュモフスカ、マルゴスカ・ズモウスカ?  Małgorzata Szumowska)

原題がシンプル過ぎて他の作品と被りそうだし、全く異なる邦題をつけるのは理解できるけれど、この邦題は!? 邦題でかなり損をしてそうな、見たら気に入る人に届いていないのでは。

ものすごく良かった。好き。ジュリエット・ビノシュも素敵。口にものが入ったまま大きく口を開けて笑う場面も良い。裸で「枯葉」を歌う男。ビノシュも若い2人も、職業や環境が違っても、周りの男性からはいわゆる女性としての役割とされていた事しか期待されていなくて、3人共、普段は一人で闘っているし、あたしもがんばろう、って気になる。

映像がきれいで洒落ていて、誰か気になったら、これも『愛の原罪』や『Wszystko, co kocham』(All That I Love)のMichał Englertによるものだった。彼は、この監督の作品の撮影監督をずっと務めているのかしら。知らなかったけれど、この監督の作品は日本でも公開されているようなので、どんどん見ていきたい。この監督、以前、見たいと書いた『W imię...』W imie...(In the Name of)の監督で、さらにMateusz Kościukiewiczと結婚していたとは!

男性の監督と女優の妻、という組み合わせで仕事しているのはよくあるものの、女性の監督が男優の夫で映画を撮るって、あまり無いのでは。あたしが知らないだけかもしれないけれど。アニエス・ヴァルダの夫も監督だったし、ミア・ハンセン=ラヴも。

この記事の二人、素敵過ぎて眺めているだけで倒れそう。

www.vogue.pl彼が主演の新作も気になる。

見た映画

暑くて外に出られない。映画も見に行けてない。書き溜めていたメモなどを、まとめていく。随分前に見たものもある。

以下、全てNetflixにて。

 

舞台や主人公の設定から『アメリカン・サイコ』と脳内で混ざったのか、しばらくの間、主人公が人を殺すのではないかとハラハラしていた。

2011年の映画で、その頃ならスマートフォンもあるし、日本でもその何年も前から職場でのネットの私用が問題になったり閲覧履歴が会社にばれたりする事なんて知られていたのに、ガラス張りのオフィスで、この主人公は本当に仕事ができる人なのか? と思ってしまいそうだったけれど、依存症ってそんな事くらい分かってていてもどうにもならないものなのかもしれない。すごーく昔、上司とパソコンが共用だった頃、職場にネットが導入されたばかりで、ブラウザの履歴にエロサイトっぽいものがずらっと並んでいたのを思い出した。許可されていたから、あたしも思いきり私用で使っていたけれど。上司の愛人らしき人からのFAX(!)も見かけたし、色々ゆるかった。そういえば、別の職場でも、経営者に領収書を整理してと渡された紙くずの詰まった箱からは、妻とは違う顔の女性との旅行の写真が何枚も出てきたし、証拠となるものを残してしまう脇の甘さが怖い。ああいうの、ばれても妻は別れないだろうと踏んでいたからなのかしら。この主人公も、妹の事が無ければ上司からなじられる事もなかっただろうし、平気だろうということなのか、結果さえ出していれば、そういうの大目に見られたりするの?

主人公の兄妹が見ていられないくらい、痛ましい。ボーデイン以来、考えるのも辛くて、自殺に関するものには近付かないようにしていたのに。妹はお兄ちゃんに甘えられるけれど、お兄ちゃんは誰に甘えれば良いのよ? って、あたしが長女で一人目の子だったからか、つい思ってしまう。思えば、物語でも姉や兄に肩入れしがちだし、兄弟や姉妹の俳優に対してもそう。エルよりダコタ。

 

キングスマン』もコリン・ファースを眺める以外は、なんだか引っかかるところがあって、あまり楽しめなかったので、これもあたしには合わない気がしていた。好きじゃないだろう、ダメだろうというのを確認するために映画を見たりするのは、やめたいという気もしている。この監督の、音楽を流した闘うシーン、野暮ったいしあまり面白いと思えなくてしらけてくる。『ジョン・ウィック』は楽しかったのに、何か違う。父親の期待するであろう発言・行動をしてしまう娘が不憫で、見ていて辛い。

 

中年の男性ばかり、時々女性、若い人は少ないし、子供はいないな、って思っていたら、途中で理由が。2000年の映画みたいだけれど、今見ると、なんというか身近な現実がこの映画に近付いたようで、あまり無邪気に笑えないかもしれない。色も抑えられた余計な物の無い広い空間に、違う文化なんだなあと感じる。

 

『Sala Samobójców』(英 Suicide Room)の監督の作品。突然のピエール・エ・ジルみたいなキラキラ! よく知らなくて驚いたのだけれど、大規模な爆発の後は、あんなふうに血や肉片が降って来るものなの? 内容はひたすら辛い。あんまり好きな演出じゃないのだけれど、それでもこの監督の他の作品が見られるなら見るような気がする。

 

  • 『ダーク・プレイス』Dark Places(ジル・パケ=ブランネール Gilles Paquet-Brenner)

レディ・プレイヤー1』を見に行った日の夜中に見て、「あ、さっき見た人だ」って、なった。若い時の兄。ギリアン・フリンの原作が読みたい。

 

なぜ、この邦題? アダム・ドライバー目当て。他の俳優だったらすごく嫌な感じにもなり得た役も、彼だとなんだか憎めなくなってしまうのがすごい。年齢よりも、面白くて魅力的な人に出会うと、のめり込んでしまうこともあるよね。

グザヴィエ・ドラン

グザヴィエ・ドランが車の中でBLOWの「Don't Wait For Us」を聴いているのを見かけて、そうだ、そろそろ彼の映画を見なくては、と思っていたら、あと何日かでNetflixでの配信が終了するらしく、慌てて見ている。配信終了に関しては、こちらを参考にさせていただいている。Netflixも、せめてリストに登録している分には、少なくとも2週間くらい前に何らかのお知らせや印でも表示してくれるとありがたいのに。

暑すぎて(だって、気温が40度って!)、気分が悪くなって少し寝ていた。お腹も痛くなるし。それから入試の女子減点って、昔から採用等で近い話はよく聞かされていて、それでも証拠として突き付けられるものが無いから、実力不足を差別のせいにしているとか被害妄想だとか言われるのが想像できて黙らされてきたのに、明らかにされても、そういう事に対する怒りが理解されなくて、理解されないことに余計に怒って疲れたよ。昔「女性は男性の3倍頑張らないと同等に扱ってもらえない」って、多少のバリエーション有りで何度も見聞きして、それなら何の努力もしたくないとすら思っていたけれど、「え、そんなこと、誰に言われたの?」なんて言われて、なんか、ぽかんとしてしまった。経験などの違い過ぎる人に、何をどこから説明したら良いのか、途方にも暮れた。アイスクリームだけでは、たぶん埋め合わせなどできないから、もっと何か違うもので自分を甘やかしてあげたい。