Gaby Baby Doll ほか

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『SF奇書天外』と奇書 - La Porte Rouge

 

 

『Gaby Baby Doll』(Sophie Letourneur)

Benjamin Biolayが出演しているのでずっと気になっていたものの、フランス語のみではまだあまり理解できないだろうからなかなか手を出せずにいた。MUBIで英語字幕付きで見られる事を知って(もう期間が過ぎてしまって、今は見られないと思う)、1週間のトライアルに登録して見た。ちょっとすごい。かなり好き。DVDを買って、また見たい。Gaby役のLolita Chammahは、イザベル・ユペールの娘だとか。全然知らなかった。

Gabyは、夜に一人で寝られなくて、誰かが近くにいないとだめ。夜中のトイレも人に付いてきてもらわないといけない。それを克服するために、隣の家までかなり歩かなくてはならないような、自然の中にぽつんとある家に滞在するのだけれど、恋人にも出て行かれて、一人になってしまう。夜になると毎晩近くの(と言っても、けっこう歩く)店から一人ずつ連れて帰るものの、それも尽きて、Benjaminの住む小さな小屋に転がり込む。

お伽噺みたいだなと思っていたら、本当に最後までお伽噺だった。顔を覆う髭を剃ったら美男って、眼鏡を取ったら美少女みたいな感じか。だって、バンジャマンだもの。最後の歌まで来ると、もう倒れそう。どんなに素敵な建物や環境でも、一人で住むのは無理だと常々思っているし、なんだか色々とあまり他人のように思えない主人公。


Gaby, Baby Doll de Sophie Letourneur - Bande-annonce

 

同じ監督の『Les Coquillettes』と『La Vie au Ranch』(Chicks)も見た。

『Les Coquillettes』は、ルイ・ガレルが出演しているというから見たら、ほんのちらっとだけ。監督がSophieという本人(?)役で出演。友人と3人でロカルノ映画祭に行き、パーティでそれぞれがひたすら男性を追う。Caroleがかっこいい。あたしもルイ・ガレルとの運命を感じたい!

『La Vie au Ranch』は、学生の女の子たちの日常。字幕を追うのに必死で、女の子たちの全員の区別がついていない。とにかく元気。皆のファッションが楽しい。

3作とも、トイレの使用中に戸を閉めない。自分の家の中で自分ひとりだけなら戸を開けておく人がいるのは割と聞くし、風呂も含めて、あたしもそれに近い。『Gaby Baby Doll』と『La Vie au Ranch』では、野外でしゃがんでおしっこしていて、この監督の、この生理現象に対する何かが気になる。女子がしているのを見るとぎょっとするものの、映画の中でも男優なら時々見かけるし、日常も映画の中も非対称な事に気付いた。

 

別にそんなに英語もできるわけではないとはいえ、英語の字幕付きで見られたのは大変ありがたい。MUBIって存在は知っていたけれど、そんなに色々と手を出せないし手を出さずに来た。ありがたく利用させてもらっても、やはり時間も無いからトライアルのみでキャンセルしてしまった。これから年末でもあるものね。もう既に忘年会に2回出席している。これからしなければならないことは、考えたくないな。

When I Fall In Love

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『SF奇書天外』と奇書 - La Porte Rouge

 

 

Benjamin BiolayMelvil Poupaudの「Songbook」が出たので、とりあえずSpotifyで聴いている。CDは出ないようなので、どこかからダウンロードで買う。買ったことが無いから、どこから買うべきなのか、困るわ。

 

それから「車に乗っていたらラジオで、あなたの好きな人の新しいアルバムが出たって言ってた」と教えてもらった。チェックしていなかったけれど、Michael Bubléも「love」が出ていたのね。1番目の曲が「When I Fall In Love」


Michael Bublé - When I Fall In Love [Official Music Video]

これで思い出したのが、Rick Astleyの同じ曲。彼の「Never Gonna Give You Up」とかが人気だった頃、なんとなくクラシカルなお行儀の良いお坊ちゃんみたいな感じと、声の質と歌う曲とのギャップ(あの頃はあるように感じた)が面白くて、お小遣いもらっているような頃だったからCDか何かをレンタルして聴いて、この曲が好きだった。もっとこういうスタンダードを歌えば良いのに、って思ってた。懐かしいな。


Rick Astley - When I Fall In Love

見た映画と今後のたのしみ

  • つかのまの愛人』L'Amant d'un jour(フィリップ・ガレル Philippe Garrel)
    前作に続いて、また、ルイ・ガレルがいないなんて! と思っても大丈夫。雰囲気の似た妹のエステル・ガレルが出ているから。最後の爪先立ちでキスする姿もかわいい。彼女の他の出演した作品も見たい。俳優が皆良かった。
    そういえば、Netflixで『愛の残像』(La Frontière de l'aube)、『灼熱の肌』(Un été brûlant)、『ジェラシー』(La Jalousie)を見ていた。『ジェラシー』は劇場でも見たものの、それ以外は存在すら知らなかった。『愛の残像』はものすごく沁みる。
    どの作品でも、風景、建物、インテリア、画面におさまっているもの全てが完璧に感じられるけれど、特に衣装、小道具などが良くて面白い。
    それから、ルイ・ガレルが出ていると知って『SAINT LAURENT サンローラン』(Saint Laurent)も見た。衣装は贅沢で楽しいものの、少し退屈だった。ルイ・ガレルって、フィリップ・ガレルの映画に出ている時のキャラクタも含めて好きな気がした。というより、彼の映画でルイの演じる人物が、ルイが演じていることもあってなのか魅力的過ぎるのね。

  • アンダー・ザ・シルバーレイク』Under the Silver Lake(デヴィッド・ロバート・ミッチェル David Robert Mitchell)
    遅い時間の回だったからか、観客の男性率がとても高かった。9割くらい。ある種のある世代の人たちに対して「あなたたちの好きなものを全部詰め込んでやったよ」と言われているような映画。2時間19分、長い。長く感じた。楽しくもあるけど、なんというか、あたしにはちょっと合わない。
    書き忘れたので追記しておくと、O嬢のラストにもあるような、裸にフクロウのマスクって、素直にすごくかっこいいよね。
    直前に予習に『アメリカン・スリープオーバー』The Myth of the American SleepoverをNetflixで見たけれど、こちらは良かった。好き。夜が特別だった頃を思い出させる。

 

『Matilda』が『マチルダ 禁断の恋』として日本でも公開されるのが楽しみ。『ゆれる人魚』ミハリーナ・オルシャンスカ Michalina Olszańskaが主演。キラキラ豪華な映像の大作って感じで、これは日本でも見られるのではないかと思っていた。嬉しい。

その前に彼女も出演しているドラマ『1983』がとうとうNetflixで今月末から始まる! これ、早く見たかった。


1983 | Official Trailer [HD] | Netflix

 

『Pokot』(Jakub Gierszałも出演しているし)と『Twarz』がポーランド映画祭で上映されているようなので、そちらも、そのうち見られるかなと期待している。


Pokot - zwiastun


TWARZ - oficjalny zwiastun filmu Małgorzaty Szumowskiej

BB Brunes

仕事とかなんだか色々と気分だけ追われて、11月。もう忘年会の話題も出てきて「待って、待って」と泣きそう。

BB BrunesがNew Orderの「Blue Monday」をフランス語でカヴァーしていたのを見かけた。こんなの知らなかった。Félixも歌っている。これの50分過ぎたくらいから。


Jérémy Frérot et BB Brunes dans #LeDriveRTL2 du 29 juin 2018

 

彼らのカヴァーした曲も好き。Metronomyの「Everything Goes My Way」やSantogoldの「I'm a Lady」は英語で歌っていたけれど、Supergrassの「Alright」はフランス語で。世代的にすごく馴染みがある曲だし「フランス語バージョン、かわいいなー」とよく聴いていた。でも、よく見たらフランス語訳じゃなくて、曲名からして全然違う歌詞ですごい。

Cul et Chemise


BB BRUNES - Cul & Chemise [Clip Officiel]

Benjamin Biolay

先週、とうとう夢で会えた!
パサージュのような、どこだか知らない場所で、何人かの集まりの中にバンジャマン・ビオレがいたので、ものすごく緊張しながら近付いて、フランス語と英語の混ざった、さらにたぶん間違ってもいる言葉で「あなたの作る曲は素晴らしいです。大好きです」というようなことを話しかけていた。

目が覚めて、もう思い残すことは無いのではないかとも思ったけれど、そういえば、まだ見ていない映画もあるし、彼のライヴだって行ったことないし、まだまだ、色々あった。『La Douleur』も来年『あなたはまだ帰ってこない』という邦題で日本でも公開されるそう。

英語もフランス語も、本が読めて映画が見られれば良いから、書くのも話すのも後回し気味なものの、何があるか分からないから少しは出来た方が良いのね。

 


LA DOULEUR Bande Annonce (2018)

読んだ本

  • 『天国の南』South of Heaven(ジム・トンプスン Jim Thompson 小林宏明・訳 文遊社)
    良かった。詩も書く若い放浪者。これまでに読んだ彼の作品に、こんなかわいらしい主人公がいただろうか。その場の空気の感じられるような描写。ラストも楽しい。たぶん彼の作品の何を読んでも好きなのではないかしら。この会社から何冊も出ている分を、どんどん読んでいきたい。

 

  • 君の名前で僕を呼んで』Call Me by Your Name(アンドレ・アシマン André Aciman 高岡香・訳 マグノリアブックス)
    エリオとマルツィアとの関係など、映画とはちょっと印象が違う。ローマでの詩人たちとの一夜の場面が好き。第四部の映画で描かれなかった部分も、現実的な生々しさが響くのだけれど、ローマの一夜も後日譚もカットしたことが映画にとっては良かったし、映画の最後で二人を会わせなかったのも、脚本すごいなって思った。映画の続編って、この小説からは考えられないのだけれど、全然別の話になっていくの?

 

一仕事終えたら疲れが取れなくて、ずっとぐだっとしていた。弱いな、身体。Jakub Gierszałの『Beyond Words』(Pomiędzy słowami)をやっと見た。美しくて重たい。好き。とりあえず、もう1回見たい。

 

天国の南

天国の南

 
君の名前で僕を呼んで (マグノリアブックス)

君の名前で僕を呼んで (マグノリアブックス)

 

 

And Then There Were None(そして誰もいなくなった)

『And Then There Were None』(Agatha Christie Washington Square Press)

クリスティはそのうち英語で読もうと思っていたので、古いペーパーバックを見かけて読み始めたら、BBCのドラマがGYAO!で見られたから、そちらも見た。このドラマはBSで放送された時に録画したのをもらったのだけれど、それがブルーレイで、プレイヤーが無いから見られなかった。再生できるはずのパソコンも壊れたし。そろそろプレイヤーくらい買うべきなのか。

ドラマが面白くて、結末を知る前に本も読んでしまおうと、第3回が配信される前に、だーっと一晩で読んだ。古い本だから「Indian Island」だったけれど、今はSoldier Islandなのね。「Enriched Classics Series」とあって、絵や写真も入った解説のページがあるのだけれど、本編の後でなく、本の真ん中にある。そして、映画の、残った2人が海岸にいる場面と、1人になった最後の場面の写真があって、驚いた。これはクラシックで多くの人がストーリーを知ってるだろうし、知っているうえで新たに作られるドラマなども楽しんでいるのだろうし、あたしだって昔ドラマか映画か何かで見たのか、誰もいなくなった後の事は知らなかったか忘れたかしていたものの、ざっくりとした話は知っていた。最後の1人がどうなるかも。でも、本編後半の前に結末の写真なんて。このシリーズのリストを見たら、他はほとんどミステリじゃなかったから、こんな構成なのか。昔ちらっと読みかけた「ミステリを原書で読もう」というような本に、クリスティが読めなければ、英語で読むこと自体を諦めたらとあったので、少し意地で読み始めたけれど、3人いなくなった辺りから夢中で読んでいた。

ドラマは雰囲気も衣装も素敵で、俳優が皆良かった。エイダン・ターナーの色気がすごい。全開ではない、にじみ出るような野蛮さというのか。他の出演作の画像を見ても特に感じるものが無いのだけれど、このロンバード役の彼と目が合ったら気絶しそう。結末も良い。